まいてら編集部員たちの”お寺のある”日常

まいてら編集部日記

【大反響!】仏事の思いを伝える漫画『おぼんのおはなし』制作秘話

2017.07.07

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7月に入り、地域によっては「お盆」が近づく時期となりました。

皆さんにとってお盆とは、いったい何でしょう。お正月、年の暮れと並んで、日本の三大「堂々と休んでもいい期間」でしょうか。
お盆になればお寺やお墓にお参りするけれど、「お盆の由来や仏事としての意味合いを正確に知っています!」という方は少ないことと思います。

もはや固定イメージとなってしまった「お盆=夏休み」という概念を打ち壊すべく立ち上がったのが、まいてら登録寺院である神奈川県横浜市妙法寺の住職、久住謙昭(くすみけんしょう)さんです。

お寺としては珍しく広報の役職を置いているという妙法寺。久住さんは広報の方とともに、『おぼんのおはなし』という全16ページの短い漫画冊子の制作を企画監修しました。お盆の由来をかわいらしいタッチのイラストで、簡潔に・わかりやすく学べるその冊子は、発行以来全国のお寺から取り寄せの注文が殺到し、大反響を呼んでいます。

今回、まいてら編集部は久住さんに『おぼんのおはなし』制作にかける思いを取材しました。大ヒットの裏には「このままではいけない」という、伝統仏教の未来に対する危機感がありました。

久住謙昭

1976年横浜市生まれ。高校から6年間を日蓮宗の総本山身延山にて修行生活を送る。その後、立正大学大学院文学研究科を修了。31歳で住職に就任。仏教をわかりやすく発信し、明るいお寺づくりを目指しています。

きっかけは一般の目線から

―今回お盆についての漫画を制作しようとしたきっかけをお聞かせください

妙法寺の客殿の廊下には本棚があって仏教漫画がたくさん置いてあります。ある日お寺の広報が、お盆も近いので何か発信しようと本棚にあるお盆の漫画を読んだところ、自身の経験と重なりとても感銘を受け大きな教えを貰ったと話すんです。そして「お盆に対する心持ちが変わった」と話す様子を見て、一般の人は仏事や供養を何となくやっている場合が多いのではないかと思いました。それが昨今の供養や仏事の簡易化や軽視に繋がっていると思い、この企画がスタートしました。

―漫画という形が親しみやすいですよね

妙法寺では仏教をわかりやすく発信することを大事にしていて、お寺の広報の役職に一般の方を置いています。それはお坊さん目線ではなく、一般の人の目線で伝えることが大事であると考えたからです。広報と相談しながら、ページ数や文言など構成にもこだわり、大人だけではなく子どもが見ても理解できるようなものにしました。

―漫画のストーリーはお盆の由来をたずねる子どもと、それに答える母親のかけ合いから始まりますが、「仏事についてお坊さんに聞く」という形を取らなかったのはなぜですか?

仏教を伝える漫画はこれまでにも数多く制作されていますが、「こういう出来事がありました」といって、過去から伝えられている話を端的に説明して終わってしまうようなものが多いんです。『おぼんのおはなし』に登場する、お釈迦様の弟子である目連(もくれん)さんとそのお母さんの物語には、現代でも子育てに奮闘するお母さん達に大きな気付きを与えてくれるお釈迦様の教えがあります。仏教は決して難しいものではなく、日常のありふれた所に根付いた教えだという事を知って欲しかったのです。

大反響の要因は、全国の寺院が共有する「このままではいけない」という思い

―『おぼんのおはなし』を読んで、これからお盆参りに行くときの心構えが変わりそうです

そんな風に思ってくれたら嬉しいですね。お盆だけではなく、仏事にはそれぞれきちんとした由来があるんです。そこを一般の人にわかりやすく伝えていく事が、これからお寺が担うべき課題であると思います。この漫画を読んでくれた人が先祖供養の大切さや、仏教に興味を持つきっかけとなってくれたら嬉しいです。

―全国の寺院に反響を呼んでいるそうですね

反響は想像以上でした。私はお寺にとって当たり前のことがほとんど浸透していない現状への危機感から漫画制作に取り組みましたが、その「このままではいけない」という思いがお寺どうしで共有できているからこそ、多くの注文をいただけたのだと思います。
「これで今年のお盆が楽しくなりそうです」というお声もいただきました。

―仏教を伝える活動として今後予定しているものはありますか

今度は「お彼岸」や「花まつり」の漫画も制作してみたいですね。仏教を学べるシリーズとして展開できれば良いかもしれません。何かアイデアが浮かんだら、それを惜しみなくどんどん公開し、みんなで力を合わせて仏教を盛り上げていきたいです。

―今後も久住さんのリーダーシップに期待しています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

『おぼんのおはなし』は妙法寺のホームページから読むことができます。
http://myouhouji.jp/obon/index.html
こちらのURLからどうぞ

お寺画像
神奈川県横浜市戸塚区
経王山 妙法寺
地域に根ざした 700年のお寺

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サノ ハナ

サノ ハナ

1994年生まれ。国際基督教大学卒業。大学では、鴨長明『方丈記』における「心」「身」「住まい」を研究。全国津々浦々に点在するお寺の公共性に関心を持ったことをきっかけに、大学3年生の秋より一般社団法人お寺の未来学生インターンとして働きながら、安心のお寺づくりを日々勉強中。

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