新型コロナウイルス感染症の影響下 心温まるお葬式の工夫(西法寺・福岡県北九州市)
2020.04.27
西村達也(にしむらたつや)
西法寺住職。1962年北九州市生まれ。龍谷大学文学部仏教学科真宗学専攻を’85年卒業。自坊法務の傍ら鎮西敬愛学園宗教科の非常勤講師を勤めた。’97年第十三世住職に。社会福祉法人慈恵会(済美保育園/旭ヶ丘保育園)理事長。
西法寺がある地域では、現在お葬式は99%、葬儀社の斎場で行われています。葬儀社の新型コロナウイルス感染拡大防止のための対応もさまざまに取り組まれています。ご遺族もできるだけ少数でと配慮され、全員マスク着用で行われています。
そのような中で、先日とても記憶に残るご葬儀をお勤めさせていただきました。葬儀の現場は様々な制約を受け、変化を余儀なくされていますが、みなさんにとっても一つの参考になればと思い、ご報告いたします。
北九州と関東をLINEでつなぎ、最期の看取りと葬儀・通夜を執り行った
喪主を務める長男さんは関東在住。長男さんは単身福岡に帰省し、関東に残った妻と子どもたちはLINEのライブ中継を活用しました。北九州と関東をLINEでつなぎ、息を引き取る前のお祖母さんとお孫さんたちはお別れをすることができました。お祖母さんは気丈にも、みんなに「ありがとう」と伝えました。
通夜と葬儀は、先にお浄土に参ったお父さんとともに苦労して建てた我が家で行いたいとの、たっての願い。感染拡大防止のため参列者は三名、窓を開けて換気をし、座布団の間隔をあけ、全員マスク着用。そしてそこに加えて、パソコンの中の関東の家族たちとつなぎ、ライブ中継で行いました。
今の時代だからこそ、このような状況下でもできる工夫があります。遠くにいても出会える時代になりました。長男さんのご家族の安全を第一にしつつ、大切な最後の時間を共に過ごしたいとの精一杯の葬儀に、温かな思いを持たせていただきました。
追伸:YouTubeチャンネル「町上津役西法寺」を開設しました
今回のお葬式がご縁となり、思い切って、YouTubeチャンネル「町上津役西法寺」を開設いたしました。よろしくお願いします。