お寺の社会貢献活動をもっと発信していくべき ~ 「お寺と社会貢献アンケート」の気づき(真言院住職・佐藤妙尚)
2021.09.30
佐藤 妙尚(さとう みょうしょう)
1982年8月、真言院の一人娘として生まれる。都留文科大学(文学部・初等教育学科)を卒業し、学習塾に就職。26歳のときに父が死去、27歳で4代目住職に就任。三児の母となり、現在子育て奮闘中。
お盆とお彼岸に「お寺と社会貢献アンケート」を実施しました
真言宗の真言密教と社会福祉は繋がりが深く、宗祖である弘法大師 ・空海は多くの民衆を救済するための社会福祉活動を積極的に行っていました。お寺が行う社会貢献活動について知ってもらうとともに、檀信徒の皆さんにも一緒に考えてもらいたいと思い、お盆とお彼岸の間に「お寺と社会貢献アンケート」を掲示しました。お盆やお彼岸にお寺にお参りされた檀信徒の皆さんが参加されたアンケートの結果を報告いたします。
アンケートの取り組みについてはこちらをご覧ください。
結果はこちら。たくさんの方が参加してくれました。
真言院が困っている誰かに手を差し伸べるとしたら、どのような支援先が良いと思いますか?という質問に対し、一番多くの票を集めたのは「2.子どもたちへの支援」でした。皆さんがどれを選んでくれるのか、もちろんその結果も楽しみでしたが、私が一番してほしかったのは「一緒に考えてくれること」。アンケートボードの前にいた何名かの檀信徒の方に声を掛けて、お考えを聞かせていただきました。
子ども支援や環境保護活動に期待
「親目線からだとやっぱり子ども関連に支援を向けてほしい」
「環境保護への支援かな。うちの業界でも言われているよ、カーボンニュートラル!」
お寺の活動を応援。お布施や活動参画を通じて自分も貢献したい
「社会貢献活動はとても良いことだと思う。檀家が払ったお布施を使われることには嫌な気持ちはしない。住職がいいと思うことに使ってほしい」
「いろいろ挑戦してえらいね、がんばって!」
「考えてみたらどれも自分がいつかその立場になるかもしれないことばかり。困っている人はたくさんいるから、自分もなにかできることがあれば協力しないといけないと思った」
お寺の社会貢献を知らなかった。良い活動はもっと発信していくべき
「お寺と社会貢献活動はイメージがなかった。言われて初めて考えた」
「お寺は人の死に関連したこととしか繋がりがイメージできなかった。いろんな活動があることを初めて知った」
「これまでお寺に対してあまりいいイメージを持っていなかった。高級車に乗って私腹を肥やしているイメージだった。こんなにいい活動をしていても、それを言わなきゃ檀家や近隣住民には伝わらない」
「お寺でいろんな取り組みをしていることをこれからも寺報などで教えてほしい。私たちには想像がつかないことがたくさんあって、いつも素晴らしいなと思って読んでいます」
お寺の活動を積極的に発信し、「一緒に」考えていく環境整備が大切。
アンケートの結果や票数よりも、檀信徒の方々とお話しできたことが嬉しかったです。中でも響いたのは「どんなにいい活動をしていても、それを言わなきゃ檀家や近隣住民には伝わらない」という言葉。今回のようにお寺の活動や住職が考えていることをお話しする機会を持つことで、お寺や社会問題について檀信徒や近隣住民の皆さんも一緒に考えてもらうきっかけになり、また、それがとても重要だと感じました。
お寺は社会のために何ができるか。
これからも自分のお寺でできる社会貢献活動について、檀信徒の皆さんとともに考えていきたいと思います。