檀信徒の皆さんと考える「お寺と社会貢献アンケート」を実施します(真言院住職・佐藤妙尚)
2021.07.27
佐藤 妙尚(さとう みょうしょう)
1982年8月、真言院の一人娘として生まれる。都留文科大学(文学部・初等教育学科)を卒業し、学習塾に就職。26歳のときに父が死去、27歳で4代目住職に就任。三児の母となり、現在子育て奮闘中。
古くからのお寺の社会貢献。真言宗では弘法大師に代表される密教福祉が行なわれている
昨年より、まいてらの各寺院のページに「社会貢献」という新たなカテゴリーが追加されました。真言院でも先日ようやく「社会貢献」ページを公開いたしました。
お寺で行う社会貢献活動について考えたとき、寺に戻る前に2年間在籍した高野山大学で書いた卒業論文を思い出しました。テーマは「現代における密教者の社会活動について」、つまりお寺や僧侶が行う社会貢献活動についてまとめたものでした。
実は真言密教と社会福祉はとても繋がりが深く、真言宗の宗祖である弘法大師・空海は多くの民衆を救済するための社会福祉活動を積極的に行っていました。弘法大師の活動のあしあとは、記録の形でも伝説の形でも日本全国にたくさん残されています。例えば、水不足が深刻な讃岐に作られた人口のため池「満濃池」の改修工事や、日本で初めての庶民のための学校「綜芸種智院」の創設などがあります。他にも大小さまざまな民衆のための活動を全国各地で行っていました。
そして、現代でも弘法大師空海の理念をもとに「密教福祉」と呼ばれる言葉もあり、高野山真言宗の本山でも多くの社会福祉活動が行われていることを知りました。
まいてらに「社会貢献」ページができる以前より、お寺ではいろいろな社会貢献がなされていました。しかしそれは一般的にあまり知られておらず、もしかしたらお寺の住職自身も「これは社会貢献なんだ」などと考えずに行っていることもあるかもしれません。
お寺の社会貢献アンケート。檀信徒と一緒に考えてみることに
そこで、檀信徒の皆さんにもお寺が行う社会貢献について知っていただき、さらには一緒に考えてもらえるようにと、お盆にお寺にお参りに来た方が参加していただけるアンケートを作りました。
お寺が困っている人に支援の手を差し伸べるとしたらどのようなところがいいか、檀信徒の皆さんにも一緒に考えてもらおうと思いました。人知れず行うことも日本人の美徳かもしれませんが、お寺の檀信徒の皆さんと一緒に「お寺ができること」を考えるのも大切なことだと思います。
お寺の廊下に掲示しておいたら、夏休みに遊びに来ていた小4になる我が家の娘の同級生たちもしっかり読んで一緒に考えてくれていました。
これを見て檀信徒の皆さんにどのように感じてもらえるか、とても楽しみです。アンケートの結果はまたご報告します。