【川越】最明寺の花手水が映えると大人気!川越の景色を変えた花の力(最明寺副住職・千田明寛)
2024.02.26
美しい花手水で大人気!川越の最明寺を紹介します。
最明寺は、小江戸花手水発祥の寺院で、境内に常時4〜5箇所花手水があります。
写真映え・SNS映えすると評判で、毎日たくさんの人が訪れる人気スポットで「川越花手水フォトコンテスト」も開催されるほど話題です。
墓地が併設されていますが、誰でも境内を自由に散策OK。
最明寺のInstagramを開くと、カラフルな花がパッと気分を明るくしてくれます。
最明寺の花手水はお寺への新しい参拝のきっかけを生み出しているだけでなく、お花で彩られた手水舎の美しさは、SNSでのシェアも多く、川越観光の新しい魅力として注目されています。
ムーブメントの火付け役は、お寺のライトアップやLGBTQ結婚式などで知られる最明寺(天台宗)。千田明寛副住職に、その背景をうかがいました。
千田明寛(せんだみょうかん)
昭和63年3月17日生まれ 法政大学法学部国際政治学科卒業後、比叡山延暦寺にて加行。26歳の時に天台宗開教使としてインドへ一年間の留学を経験。特技はヒンディー語。
瑶光山 最明寺
〒350-1104 埼玉県川越市小ヶ谷町61(川越水上公園の隣)
川越・最明寺が花手水を始めたきっかけはコロナ禍とInstagram
手水舎にお花を浮かべる「花手水」は、実は京都が発祥です。京都のあるお寺へお参りした際、このすてきなアイデアに出会いました。その美しさに心を奪われ、「いつかうちのお寺でも」と思っていた矢先にコロナ禍となり、これが最明寺の花手水のきっかけとなります。
感染拡大防止のため、手水舎が使用できないのなら、花を浮かべて、SNSに投稿することで、スマホ越しにたくさんの方にお寺を感じてもらえるのではと思いついたのです。
全国的に花手水がひそかなブームとなったのは、Instagramとコロナ禍がとても大きく影響したと感じています。写真映えしますし、お花を通じてお寺とのつながりも感じられます。
2020年の夏に花手水を始めて以降、週に1度、花屋さんとテーマを考えて、境内の5カ所でお花を浮かべています。本堂にお供えしたお花も再利用していて、フラワーロスの削減にも配慮しています。
昔から、仏教寺院は草木で境内を設えるものと考えられていました。そういう意味では、花手水は、その伝統を現代風にアレンジしたものと言えるかもしれませんね。
地域に広がる花手水の輪
花手水は、小江戸・川越の景色を変えつつあります。
毎週、新しいお花をInstagramにアップしていると、花手水を目的としたお参りの方がだんだんと増えてきました。それがまたInstagramで広がって、川越の他の寺社でも花手水の取り組みが見られるようになったのです。
花手水が大きな注目を集めたのは、JR東日本による川越観光のポスターへの掲載がきっかけでした。コロナ禍で人の行き来が少なくなる中で、「何かしなきゃ」と地域全体が手探りで始めた花手水が、SNSで盛り上がりを見せ、やがて川越のシンボルとして見られるようになったのです。
いまではお寺や神社の手水舎だけでなく、JR川越駅、西武鉄道本川越駅、ルミネ川越をはじめ、市内のさまざまなカフェ、雑貨店、お菓子屋さんなども花手水に取り組んでいます。
こうした動きは「川越花手水フォトコンテスト」という形となり、毎年春と秋の2回、Instagram上でたくさんの方々に川越市内の花手水の写真を応募してもらっています。応募総数は延べ2万件を超え、川越の観光資源のひとつとなりつつあります。
花手水で、仏さまのやさしさに触れる
お寺が中心となって街の新しいカルチャーが生まれるなんて、とてもありがたいことです。お寺は昔から、人々が集まり、力を合わせる場所。それが今も新しい形で続いているんです。
お寺を訪れると、時間がゆっくりと流れているのが感じられますよね。日常とは真逆の非日常空間だからこそ、ほっと一息つくことができます。
時間がゆっくりと流れているのは、お寺の中にあるもの一つひとつに、仏さまの教えや慈しみの心が込められているからだと思います。花手水を見て癒しを感じるのも、その瞬間、仏さまのやさしさに触れているからではないでしょうか。
まずはスマホ越しに、そしてお寺まで足を運んで、ぜひとも癒しを感じてもらいたいです。花手水が、あなたの心を明るく彩ることでしょう。