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医療と介護とお寺をつなぐミライ②地域包括ケア寺院、おてら終活カフェ(龍興院副住職・大島慎也)

2021.02.10

大島慎也(おおしましんや)

昭和55年東京生まれ。平成21年日本歯科大学卒業、歯科医師免許取得。住職の体調不良を機会に僧侶 兼 歯科医師に。現在は副住職としてご葬儀や日々の法事を執り行い、また地域の訪問歯科診療などを行っている。

龍興院ページ

地域包括ケア寺院ってなに?

 前回お伝えした、社会のセーフティーネットとしての仏教。私はそのひとつのカタチが「地域包括ケア寺院」だと考えています。
「地域包括ケア寺院」とは、看護職や介護職の方々とお寺が連携することによって、地域住民の方が自身の終活やACP(人生会議)(*1)を語る場を作り、介護・医療者と僧侶がともにスピリチュアルケア、グリーフケアを学ぶ場です。河野秀一氏が提唱する「看仏連携」からうまれた考えですが、まさに社会的処方の場のひとつといえるでしょう。

出典:https://www.saphir-me.com/

「おてら終活カフェ」の実例

 もう1つ、「おてら終活カフェ」という取り組みがあります。大阪の應典院(浄土宗)から始まり、全国の寺院に拡がっているこの取り組みを、私が副住職を務める龍興院では2019年より実践しています。
 私は以前から、歯科医師として患者さんのご自宅にうかがい歯の治療をする中で、こんなお話をうかがうことが多くありました。

「私が死んだらペットはどうなるのだろう?」
「お墓やお葬式はどう用意すればいいの?」
「家族に死んだ後のことなんて相談できない」

 多くの方が終活の悩みを抱えていながら、どこに相談していいのか分からなかったのです。

 世間には「終活」と名のつくセミナーなどは数多くありますが、どうしてもビジネス先行で商品やサービスを売ることが中心になってしまい、死生観を考える機会や、悩みに寄り添うことが置き去りになってしまっている現状に違和感を覚えていました。

 そこで、終活の悩みを持つ方々とご家族の皆様がお寺に集い、厳粛なお念仏の祈りの場である本堂で一緒にご家族とご自身の生死を考える場所を提供できたら……という思いから、龍興院でも「おてら終活カフェ」を始めました。
 日々の生活の中では家族に葬儀やお墓の話がしにくくても、お寺で葬儀やお墓の話をするのは自然な流れで受け入れてくれるのです。ご本尊の阿弥陀様に見守られながら、自身と家族の生死を考える貴重な時間となっています。

 具体的な活動の様子は、次回ご紹介したいと思います。

おてら終活カフェの様子。この日のテーマは「お寺葬」

 (第3回へつづく)

*1:「人生会議」とは、アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)のこと。自分の大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自ら考え、信頼する人たちと話し合う。
【参考】厚生労働省『「人生会議」してみませんか 』https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html

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