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【お寺づきあいマメ知識】お布施はどう考えたらいいの?

2020.07.24

 先日、読者(愛知県)からまいてら編集部に「新盆にいぼんのお布施」についてご相談をいただきました。

ご相談者(以下「相」)「今年の夏は新盆でお寺さんにお経をお願いしていて、いくらお包みすればいいか悩んでいます」

まいてら編集部(以下「ま」)「ご自宅にお坊さんがお経を読みに来られるのでしょうか?日常的にお坊さんが家に来て読経する月参りがある地域では数千円程度をお包みするのが一般的なようですし、月参りの習慣がなく新盆の棚経たなぎようで檀家さんとお寺がゆっくりお話しする地域では1万円以上をお包みすることも珍しくないようです」

相「お坊さんが家に来るわけではないんです。お寺でお経をあげてもらうんです」

ま「お寺で、ご家族の個別のご法要ですか?」

相「そうです。それにあたってお寺から振込用紙が送られてきていて、15,000円以上を納めるようにお願いされているのです。『以上』と書いてあっても、いくらくらい包めば失礼じゃないのかと悩んでいるんです」

ま「なるほど、そういうご事情なんですね。『以上』と書かれていると、たしかに難しいですよね。お布施は色々と考え方がありますが、お寺とのお付き合いは一過性ではなく、長く続くお付き合いなので、経済的に無理がないようにするのが良いと思います。例えば、季節の行事に出ていくらか包まれたり、お寺によっては護持会費という年会費もあります。末永く気持ちよくお付き合いできるよう、ご相談者にとってご無理がない水準でお考えいただくのが良いのではないでしょうか」

相「そのように考えるんですね。他にも考え方はありますか?」

ま「亡くなられた故人とのご関係にもよりますが、その方をしっかりご供養できたと思えることが大切ではないかと思います。ご供養される方やご家庭のそれぞれに経済的なことも含めて様々なご事情がありますし、その境遇の中でしっかりご供養できたと思えることがご供養される方のお気持ちがスッキリするためにも重要と考えます。あとで『高すぎた』と思っても、『安すぎた』と思っても、いずれにせよ気持ちに憂いが残ってしまいがちなので、憂いが残るご供養は避けていただきたいです。故人の弔い・感謝や、故人を亡くされた悲しみを癒すために行うのがご供養ですから、十分に供養できたという思いをお布施として、お寺やご本尊の仏さまに託すようなイメージがおすすめです」

相「なるほど、よく分かりました。ちなみに15,000円という水準はどのように考えればよいのでしょうか?」

ま「お寺さんからそのように指定があれば、15,000円がお寺の運営上も問題ない水準として考えているということでしょうから、仮に15,000円だったとしても失礼には当たらないでしょう。地域性やお寺の事情によっても様々ですが、ご家族だけの個別法要では決して高い水準ではなく、良心的な水準だと考えられます。都市部ではもっと上回る水準のお寺もありますし、地方・農村部ではそれを下回る水準のお寺も少なくありません。そして、1万円単位の提示ではなく15,000円という千円単位の表現に鑑みると、檀家さんが困らないように『お気持ち』に関する部分も考慮しての金額提示かもしれません。『以上』という形にしているのも、実際のお布施は檀家さんによってかなり幅があるため、確定的な水準では提示しにくいというお寺側の事情もあると思います。ただ、ご家庭によっては『15,000円』や『以上』に難しさを感じられることもあると思いますので、本当に厳しい場合でしたら率直にお寺さんにご相談されるのが良いのではないでしょうか。金額の多寡にかかわらず、ご家族にとって精一杯のお布施であれば失礼にあたることはないと思います」

相「それを聞いて安心しました。15,000円よりは多く包みたいと思っていたので、お話しをふまえてじっくり考えてみたいと思います。ありがとうございました」

 以上のようなやり取りがありました。最後はとてもスッキリされたお声が聞こえ、まいてら編集部としても安心しました。

お布施は心に憂いが残らず、「身の丈」に合っていることが大切

 お寺のお布施は、どう考えるか難しいですよね。お寺に聞いても、「お気持ちでけっこうですよ」という返答があったりすると、なおさらどう考えたら良いのか分かりませんよね。
 また、今年は新型コロナウイルスの影響でお盆の施餓鬼せがき供養で檀家さんの参列を取りやめにするお寺も少なくありません。また、現金のやり取りによる感染リスクを避けるため、塔婆等の供養料を振込に変更したお寺もあります。その場合は檀家さんの手間を極力減らせるように、振込用紙がお寺から郵送され、金額欄に檀家さんがお布施を記入して振込するケースも珍しくないようです。日頃からお寺とお布施についてもコミュニケーションできる関係であれば問題ないでしょうが、そうではない場合に振込用紙が送られてくると緊張感が増すことも理解できます。

 まいてら編集部としては、色々な生活者の声や、お寺さんとの対話の中で、お布施については、以下のポイントが大切ではないかと考えています。

  • お寺との付き合いは一過性ではなく、長年にわたるものなので無理しないこと
  • 高すぎず、安すぎず、自分や家族の境遇の中で「しっかりご供養できた」と思えること
  • 大切な方を長年にわたって供養してもらうとともに、場合によっては自分が眠る可能性もあるため、(無理のない程度に)お寺が長年続くようご本尊への願い・感謝をこめた水準にすること
  • お布施について率直にコミュニケーションできるお寺との関係性を、日頃から意識して構築しておくこと

 まとめると、心に憂いが残らない「身の丈」に合ったお布施であることが大切だと思います。仏教的にはお布施は「喜捨きしや」ですが、以上の考え方は喜捨にも通じる要素があると捉えています。

 ご供養は亡き故人のためのものでもありますが、遺された家族が前向きに生きるためのものでもあります。故人を縁として、家族が集まって絆を確認するとともに、ご供養の時間に静かに心を落ち着けることで我が身を振り返ることにもつながります。

 生きていれば、家族にも自分にも色々なことが起こります。暮らしや経済的に余裕がある時もあれば、厳しい時もあります。余裕がある時にはその余裕に合わせ、厳しい時には厳しさに合わせる自然体が大切だと思います。
 ご供養を営むかどうかが、お布施という経済性によって左右されることは最も残念なことなので、お布施については上記のような考え方をご参考に、ご供養という営みそのものを大切にしていただきたいと思います。

【まいてら編集部より】
 まいてらに掲載されているお寺は、お布施をはじめ『こんなことを聞いても大丈夫だろうか』と疑問・心配に思っているところにも丁寧にお答えされますので、何かお困りごとがありましたら気になるまいてら寺院にお電話・メール等でおたずねいただくのがおススメです。

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まいてら 編集部

まいてら 編集部

まいてら編集部は、まいてらの運営メンバーで構成されています。会いたくなるお坊さんの人柄、 行ってみたくなるお寺、 学んでみたくなる仏教の智慧。あなたの生活をちょっぴり豊かにする、 そんな情報をお届けします。

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