掲示板はお寺のショーウィンドウ – 超覚寺 住職 和田隆恩さん(広島市中区)
2019.07.13
「輝け!お寺の掲示板大賞」がYahoo!ニュースでも紹介されるなど、ユニークなお寺の掲示板が話題です。
当企画で受賞歴もある、まいてら寺院の超覚寺住職・和田隆恩さんから、掲示板への思いや工夫されていることについて特別にご寄稿いただきました。
和田隆恩(わだりゅうおん)
1967年京都府生まれ。山形大学理学部卒業。証券会社で勤務。30歳で脱サラし、親戚筋の超覚寺に入寺、45歳で住職継職。遺族の分かち合いや傾聴相談など地道なグリーフケア活動を続ける。認定臨床宗教師。
あえて経典や高僧の言葉はつかわない
自坊の掲示板を引き継いで15年が経ちました。その間、毎週日曜日に張り替えるローテーションをしっかり守り続けています。
仏教になじみのない世代に向けて、あえて経典や高僧方の言葉や専門用語は用いず、近現代の著名人の発言や小説・映画のセリフを多用してきました。それこそアニメや流行歌から引用することもあります。
季節感やイベントに合わせて – 母の日と父の日の例
目にとめてもらうために、季節感を出すことも意識しています。祝日や行事、イベントが近ければ、それに関連する言葉を掲示するようにしています。
例えば5、6月は、ゴールデンウィークを過ぎると7月15日の「海の日」まで10週間ほど祝日がありません。しかし行事として「母の日」と「父の日」があり、デパートなどもそれ用のイベントを開催しています。世間がそういう意識を持つ時期なので、父母の恩に関する言葉を掲示しました。
こちらは、厳密には母の日に関した言葉ではありませんが、「母への恩」と「自身の独尊」とをうまく表現していると思います。数年前に「この言葉を読んで、自分の誕生日に母親に花束を贈りました」と御門徒さんから言われ、それ以来毎年この時期に掲示するようにしています。
「ネオ渋谷系漫才師」として売り出し中のお笑いコンビEXITのコメントです。まだ大ブレイクするまでには至っていませんが、若い世代には知られた存在で、そのキャラクターとこの言葉とのギャップが大きいからこそ、意味が際立つように感じます。実際にこの掲示板をSNSで知った若い方が、わざわざお寺まで見に来ましたから、お寺を身近に感じた若い方が一人でも増えたのは確実です。
お気づきの通り、この2つは某音楽関連企業のキャッチフレーズを模しています。2018年の「輝け!お寺の掲示板大賞 2018」に投稿された『NO ご先祖,NO LIFE(京都市・龍岸寺さま)』を見て思いつき、2019年の「母の日」「父の日」の前に掲示しようと考えていました。
掲示板はお寺の「色」を伝える絶好のツール
お寺の掲示板はいわゆる「布教」の一手段ですが、かたやお寺の「色」が伝わる広報の役割も果たしています。ショーウィンドウとして、そのお寺に興味を持ってもらうための絶好のツールになります。掲示板の言葉に興味をひかれれば、そのお寺にも関心を持ってもらえるでしょう。仏さまへもお参りくださるかもしれません。それこそ掲示板としての面目躍如というものでしょう。
このスタイルを続けてきたおかげで、他のお寺の掲示板との差別化が浸透し、おもしろい掲示板として拙寺の広告塔になっています。門前の掲示板は、お寺への案内板なのです。
先日、和田ご住職様に
お会いお頂き、そのお人柄に感動しました。
落ち着きのある方で相当修行を積まれたかたであることが察られました。
掲示板文章の「検索方法がIT音痴にて教えて頂きましたが、解りません。
ご「多忙中に。恐れ入りますが、夫を亡くした従弟を励ましたく、その関係の掲示板文章をお授け頂きたく、この、メールでご返信板だたく、宜しくお願い申し上げます。
私は80才ですが、最近禅呂rす線ガンの「告知を受け、目下、ばんにsついての寝bン教中です。人生は、誠に山あり、」谷ありで、結構味わい深く、体の神秘性にも今更おどろていています。身体も機械も長く使うほど、さびて故障も「出る、出る、それは長生きの証拠ですね。痛い思いはおめでたくもある。「ガアンと一発くらい、そこから頑張る励みにする。」
児玉作(笑)