龍興院永代供養墓「月影の船」副住職・大島慎也が語る!地域包括ケア寺院を目指して
2022.03.28
スカイツリーのすぐ近く、東京都墨田区の龍興院(りゅうこういん)に、永代供養墓「月影の船」が完成しました。
浄土宗 住職:大島 篤也(おおしま あつや)
副住職の大島慎也氏に、「月影の船」そして龍興院が目指す「地域包括ケア寺院」とはどういうものかについて、詳しく話を伺いました。
大島慎也(おおしましんや)
昭和55年東京生まれ。平成21年日本歯科大学卒業、歯科医師免許取得。住職の体調不良を機会に僧侶 兼 歯科医師に。現在は副住職としてご葬儀や日々の法事を執り行い、また地域の訪問歯科診療などを行っている。
生老病死をケアする龍興院の安心できるお墓:永代供養墓「月影の船」
2021年8月。龍興院の新しい永代供養墓「月影の船」が完成しました。
従来の墓地区画や永代供養墓がいっぱいとなり、これ以上のお骨の受け入れができなくなってしまったため、家族が一緒に入れる区画と合葬スペースを兼ねた未来型の永代供養墓を建てようということになったのです。
そして、龍興院が目指す「地域包括ケア寺院」。その実現のためにも月影の船は不可欠なものです。
高齢化が急速に進む中、厚生労働省は「地域包括ケアシステム」の構築を推進しています。これは、高齢者の方々が、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域全体で支援・ケアをしていこうとする動きで、その取り組みに参画するお寺こそが「地域包括ケア寺院」です。
お寺は、仏さまやご先祖さまだけでなく、同じ時代に同じ地域で暮らす方々ともつながることのできる場所です。仏さまに見守られながら、さまざまな悩みや不安をともに共有することで、地域の共助の拠り所として活用してもらえます。
元気なうちから残された人生について考える終活セミナー「おてら終活カフェ」。歯科医師資格を持った僧侶による介護や医療へのボランティア活動。心と費用の両面で安心できる「お寺葬」への挑戦など、龍興院では地域の方々に安心して人生を過ごしてもらえるよう、人生のさまざまな局面でやってくる「生・老・病・死」それぞれの苦しみのケアに取り組んでいます。
そして、最後の「死」の部分を大きく受け止めてくれる場所としてお墓があります。お墓を持たない方、お墓で困っている方たちに、「龍興院には安心できるお墓がある」と知ってもらうことが、死の不安を少しでもやわらげることができると思います。
仏さまの光に照らされる永代供養墓
「月影の船」は、家族が一緒に入れる永代供養墓です。
お寺やお墓にお参りする方々からも「家族と同じ場所がいい」「ひとりでお墓に入るのは寂しい」という声をたくさんいただき、「家族と一緒に」ということがいかに大切であるかを感じました。
どんなに家族や先祖とのつながりを感じにくい世の中とはいえ、やはり多くの人が、夫婦、両親、兄弟たちと一緒にお墓に入ることを望んでいます。亡くなったあともひとりじゃなく、家族とつながっていたいのです。
「月影の船」は1区画に2人から4人が納まるロッカー型の個別管理のお墓です。お参りの方がいなくなったあとも龍興院が永代に渡ってご供養するので、墓じまいの心配がないので安心です。
「月影」とは浄土宗の宗歌にもなっている法然上人が詠まれたお歌です。
『月影のいたらぬ里はなけれども ながむる人の心にぞすむ』
月の光、つまり阿弥陀如来のお慈悲の光が届かない場所はどこにもない。しかしその光を眺めなければお慈悲の光に気づくことができません。
阿弥陀如来は南無阿弥陀仏を称える者を必ず救うとお誓い下さったありがたい仏さまです。仏さまの照らす月影の船に乗って極楽浄土に往生する、そんな願いをお墓の名前に込めました。
極楽浄土とは不安のない安心の場所。どうぞ、龍興院にお参りいただき、安心の時間をお過ごし下さい。