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イベントレポート:『ごえんさんエキスポ』@京都・西本願寺に行ってきた!

2017.12.12

まいてら編集部は、12/9(土)〜10(日)にかけて京都・西本願寺でおこなわれた催し、『ごえんさんエキスポ』に行ってきました。

「ごえんさん」とは、「ご院家(いんげ)さん」が変化した、僧侶の呼び名の一つです。全国で新しい取り組みに挑戦している浄土真宗本願寺派をはじめ超宗派のお寺・僧侶・団体が、「ごえんさんエキスポ」と題し、ここ本願寺に集結します!
お寺での音楽コンサートやマルシェの開催、ライブハウスでの法話や僧侶と気軽に話せる坊主バーやカフェといったお寺を飛び出したユニークな活動など、昨今の若手僧侶はとてもアクティブ。ブースでの彼らの活動紹介に加え、実際に体験のできるワークショップや僧侶との交流などを通して、同時代のリアルな仏教に触れてください。

以前「まいてらカレンダー」でも紹介したこのイベント。気になっていた方、実際に行かれた方も多いのではないでしょうか?

僧侶DJ現る!

私、まいてら編集部 遠藤は『サイレントフェス』というブースで、12/9(土)にDJとして参加しました。『サイレントフェス』は、全国でお寺の音楽イベントを開催しているお坊さんや主催者が音楽をかけるというブースで、その模様は産経新聞でも取り上げられたそうです。(ちなみに私は僧侶ではありません。『お寺の音楽会 誰そ彼』というイベントの主催者として呼んでいただきました。)

リンク:「僧侶DJ」現る 京都・西本願寺のイベント(産経WEST)

島根県津和野町 妙壽寺 村上元住職

お坊さんの装いでDJブースに立っている姿は新鮮で格好よく、西本願寺という場所柄も相まって多くの注目を集めていました。12/10(日)には「テクノ法要」で有名な朝倉行宣ご住職や、元祖寺社フェス『向源』メンバーがDJを務められ「ニコニコ動画」での生中継もあったようです。

『サイレントフェス』近くのブースでは、もうひとつ素敵な音楽を奏でているブースが。『メリシャカ』さんです。『メリシャカ』は「もっと身近に仏教の教えに親しめる場を持とう!」との思いから、2006年4月8日(おシャカさまの誕生日)にスタートした若手僧侶のコミュニティ。ハングドラムの音に合わせて、仏教に関わる絵本を輪読するワークショップを行っていました。思わず立ち寄りたくなるあたたかい音が流れていました。

法名(戒名)と共に生きる『法名のある生活』

以前この『まいてら新聞』でもご紹介した『はなまつりサイダー』も出展しており、活動の中心人物である佐賀県・正徳寺 副住職の浦霧慶哉さんに会うことができました。
花まつりを身近に感じてもらうための『花まつりサイダー』の取り組みもさることながら、その横で紹介していた『法名のある生活』という法名額の販売も素晴らしい活動です。
浄土真宗では戒名のことを法名と言いますが、法名(戒名)は「仏弟子になった」時にいただく名前です。法名(戒名)は「亡くなった後の名前」と捉えられがちですが、生きている間にも仏弟子になるための式「帰敬式(ききょうしき)」を行なうことで、頂けるのです。(宗派によって式の名称は異なります。)『法名のある生活』は浄土真宗本願寺派の帰敬式でいただく法名をそのまま収めることのできる額です。

法名をいただき、額装して生活空間にきれいに飾っておくことで、自分が仏弟子であることを忘れずにいられる『法名のある生活』をおくることができる。その背景には、お寺として「家族」と寺壇関係で繋がっていくことが難しくなる現代社会において、ひとりひとりが仏弟子としてお寺とつながっていることを認識して頂くために大切である、というメッセージが込められています。「お寺のある生活」をキャッチコピーに掲げている『まいてら』としても、大変共感するメッセージです。

お寺が地域の情報発信源となる理由とは?

福岡県豊前市 賢明寺 大江英崇 副住職

もうひとつ私が気になったのは、『お寺×地域 おてらまちのつくりかた。』ブースです。「日常を仏教化する!」をテーマに「お寺活性化」と「地域活性化」に取り組むお寺の若夫婦によるブース。福岡県豊前市にある賢明寺の副住職 大江英崇さんは地域情報発信Webメディア『ぶぜんらいふ。』を立ち上げ、仲間たちと運営しています。
最近、各地のお寺で地域情報発信のためのサイトを運営されている例を見かけます。なぜ、お寺が地域の発信源となるのか?大江さんのブログを引用させていただきます。

「お寺の仕事だけしてればいいんじゃないの?」というご意見もあるかと思いますが、地方寺院の実感としてはそうもいかない状況になっていますので、「地域」というポイントが大きくなってくるわけです。「なぜ、お寺が地域に関わるのか?」ということについて、先に結論から申しますと、お寺と地域はとても密接につながっているから関わるのです。

大江さんは別の地域から豊前市のお寺にやって来たこともあり、町の人たちと関わりたいという思いが強かったそう。そして地元の人たちと積極的に関わらなければ、お寺が「人と心のよりどころ」にはなれないと実感したのです。

地方の町と、そこにあるお寺が共通で抱える問題「人口減少」「少子高齢化」「社会状況の変化への対応」これらに前向きに取り組んでいくためには「お寺と地域の「楽しさ」を伝えること」が大切だと思い、チームを組んで発信をし始めたそうです。

リンク:ぶぜんらいふ。

『ごえんさんエキスポ』はお寺・お坊さんの活動の見本市

他にも、お坊さんが運営する仏教専門の電子書籍レーベル『響流書房』や、お坊さんとトークが出来る『坊主カフェ』などなど、多彩なブースが盛りだくさんでした。

このように全国のお寺で行われている様々な取り組みの一端を垣間見ることの出来る『ごえんさんエキスポ』はとても良いイベントだったと思います。様々な活動の背景には、それぞれのお寺・お坊さんの思いがあり、そういった声をご本人から直接聞きながら体験できる機会はとても貴重です。

今回は西本願寺で開催されたイベントなので、浄土真宗本願寺派のお寺が中心でしたが、今後も様々な宗派・場所でこういった「お寺の活動 見本市」のような催しが行われるといいですね。『まいてら』でも引き続きご紹介・応援していきます!

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