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おてらおやつクラブが東京・丸の内に進出!?

2019.04.10

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ここは、東京丸の内。ビジネスの中心地に、仏さまがいらっしゃいます。
2018年のGood Design賞アワードを受賞した、おてらおやつクラブの展示が行なわれています。
名付けて、「おてらおやつクラブ 丸の内別院」。

当日は寒さのせいかそれほど人が多くはありませんでしたが、金色に輝く仏さまに目を奪われ、立ち止まっている人もいました。
忙しい人ばかりの丸の内で、仏さまに気づき、足を止める人がいるというのはホッコリする光景でした。

会場には、仏さまにお供えできるスペースがあります。
「G」のマークがかたどられた大きな三方(さんぽう)の上に、お菓子や古本などのお供物がたくさん乗っていました。
多くの方がお越しになられているようで、お供物の数だけ人の気持ちが見えるようでした。

そして、素敵なデザインの段ボールも置いてありました。
段ボールは、おてらおやつクラブの活動に欠かせません。
まとまった量のお供物をお持ちいただいた方は、実際に段ボールに詰める作業もできるようです。
無理のないかたちで活動に関わることができるので、おすすめです。

おてらおやつクラブは、ホッコリしたロゴのデザインを超えて、活動そのものが受賞したという点でとても画期的でした。
貧困という社会課題に向けて、お寺や檀家さんに加え、地域住民など、様々な社会資源を結びつけた仕組みのデザイン力が評価されました。
心のつながりと共感の連鎖をデザインしたという点でとても素晴らしいことですし、お寺の良さがよく発揮されたものだと感じます。

あくまでも個人的な視点ですが、活動の特長を整理してみます。

[特長1:共感性] お寺という物語性を背景に、共感の渦をつくる力

子どもの未来を左右する貧困というテーマ。
このテーマに取り組んできた団体は数多くありますし、おてらおやつクラブはそれほどの年数がたっているわけではありません。

しかし、おてらおやつクラブだからこそできたことがあります。
慈悲という精神性、地域コミュニティの場所、数百年間続いてきた歴史など、潜在的に共感を集めやすい様々な物語がお寺には詰まっています。
いざお寺が貧困という社会課題に向けて行動し始めた時、潜在性が花開き、大きな共感が生まれました。
共感の渦が発信力となり、それが新たな縁を引き寄せ、活動への参画者が連鎖的に増えていったのだと思います。

[特長2:継続性] 昔からの習慣を拡張した無理のない活動

お寺は、次世代につなごうとする思考がとても強いと感じます。
なので、一度始めたらやめられないという「継続性」が重視されます。
お供物という、どのお寺でも長きにわたって継続してきた習慣を活かし、その地平を拡張させた活動を展開することは、お寺にとっても無理なく継続しやすいと思います。
お供物そのものが、仏さまを敬う心を化体したものですから、仏さまが「みんなを救いたい!」と願われているのであれば、そのお供物が困難にある人々に循環していくことはとても自然なことだと思います。

[特長3:参画性] 誰でも活動に参加できる敷居の低さ

活動が極めてシンプルで、気持ちさえあれば誰でも活動に関われる点も特長です。
お寺に行き、送り先の団体や家庭のことも考えながら、発送物を整える。
実際に身体を動かすので、参画した実感も持ちやすいと思います。
しかも、お寺なので「いいことした」という感覚も。お寺には功徳という考え方も昔からありますしね。

発送会の場で出会い、そこで参加者同士で新たなご縁が結ばれることもありますし、地域の中で関係性が育まれるということも副次効果として大きいと思います。

お寺らしい社会課題への関わり方がある

一昔前は駆け込み寺と言われ、地域の様々な苦悩を受け止めてきたお寺。
それが特に戦後は社会福祉国家の流れの中で、お寺が担っていた社会福祉機能が行政に吸収されていきました。

その趨勢に対して、おてらおやつクラブは、お寺が持つ社会課題解決のインフラとしての可能性を見せてくれました。
行政は制度によって社会を保ち、お寺は心の涵養によって社会を支えます。
制度だけではなかなか解決できない、特に人の心も関わるテーマにおいて、長きにわたってお寺が育んできた力が貢献できる部分も大きいのではないでしょうか。

4月22日(月)の展示終了まではまだ時間がありますし、会期中にはトークセッションも開かれます。
ご興味がある方はぜひ丸の内へGo!

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井出悦郎

井出悦郎

1979年生まれ、東京育ち。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、一般社団法人お寺の未来を創業。同社代表理事を務める

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