お寺から自閉症・発達障害の啓発を Light It Up Blue 川越(4月2日 – 8日)
2019.03.15
お寺から自閉症・発達障害の啓発を Light It Up Blue 川越
みなさんは、入学シーズンで賑わう4月2日から8日までの1週間を何の日かご存知ですか?
4月2日は国連で定められた世界自閉症啓発デー、そして8日までの1週間は日本では発達障害啓発週間となっています。
この期間は、ニューヨークの自由の女神や、ナイアガラの滝、国際宇宙ステーション、東京タワーなど世界中の有名な施設や観光地が青く照らされ、自閉症と発達障害について知ってもらおうとする啓発活動を行います。これをLight It Up Blue(以下LIUB)と呼びます。
『青』は癒しや希望・平和を意味する色です。これらの障害は周囲の人が少しの配慮をしてあげることによって、ご本人たちの生活はグッと楽になると言われています。
埼玉県の川越市では街を挙げて、この活動に力を入れています。
川越市にある最明寺でも三年目となる今年は本堂を青く照らし、その中で様々なイベントを開催する予定です。
なぜお寺を青く照らそうと思ったのか?
本堂が青く照らされていることに驚く方も居るかもしれません。
最明寺の副住職を務める千田明寛さんは、2016年に留学していたインドでLIUBについて初めて知ったそうです。
ハイデラバードで青く光る仏像を見た時に、自分も宗教者としてこのような活動から支援を始めて見ようと思ったのがきっかけです。宗教が盛んなインドでは、多くの人がお寺に参拝に来た際にお坊さんに悩み相談をします。日々、悩みを抱える人や苦しんでいる人を助けているインドの僧侶たちの姿を見ている内に、「葬式仏教」として揶揄される日本の仏教ですが私たちが本来向き合わなければならないのは『生』であり、そこを徹底しないと本当の意味での『死』も見えてこないはず。それを教えてくれたのはブッダの生まれた国でした
千田さんは日本に帰国後、すぐに国内でLIUBを取り纏めているNPO法人あっとオーティズムに掛け合い活動を始められたそうです。
最初はただ照らしているだけの活動でしたが、徐々に地元の自閉症の当事者団体やその支援者などが集まるようになり現在では実行委員会が立ち上がり、市の後援事業となるほどの規模にまで成長しました。
お寺だからこそ出来る役割・地域コミュニティのハブ化を目指す
最明寺では、4/6 (土)に青く光る本堂の中での坐禅とヨガ体験、そして7日(日)には埼玉県出身のアーティストたちによるチャリティーライブが開催されます。
坐禅・ヨガの際には川越の和ろうそく屋さんが青いロウソクを提供したり、和菓子屋さんが終わった後の茶菓子として青い饅頭を作られるそうです。
ライトアップを担当するのも川越の一級建築士の会であったりと、街の皆が協力し合いイベントが構成されています。
千田さんによりますと、このような直接的に障害とは関係ないイベントを開催する理由として、今までの経験からどうしても啓発のイベントには当事者ならびにその支援者の参加が中心になる傾向があるそうです。
しかし、当事者や支援者が本当に住みやすい社会にするためには、健全な人たちに対して訴え、関心を持ってもらうことが大切との考えに至ったそうです。
千田さんの想いに発信力がある県内のアーティストたちがチャリティーという形で応えてくれました。
かつて、2005年に年間シングル1位の売り上げを出したサスケは青く光る本堂の中で『青いベンチ』を唄います。
その他にも魅力的なイベントが満載です。
開催期間中は、無料展覧会として障害者の方々が描いた絵が100点ほど堂内に飾られます。こちらもどれもインパクトのある絵ばかりだそうです。
このように障害を持つ当事者と地域の人々を結ぶ役割が出来るのも地域のコミュニティとして存在してきたお寺だからこそ出来る役割の一つではないでしょうか。
「翔んで埼玉」で沸く埼玉ですが、最明寺からも魅力あるイベントが発信されています。
イベント参加希望の方は最明寺HPからぜひお申し込みください!