お寺の終活セミナー「任せてもらえば大丈夫!」お墓や葬儀のご相談も(光明寺住職・小林尚樹)
2023.12.07
江東区深川は、江戸の文化がいまも息づく歴史あるエリア。その住宅地の一角にあるのが光明寺(真宗大谷派)です。
一見するとお寺とは気づきにくい建物ですが、積極的な情報発信とイベントの開催など、地域に開かれたお寺を目指しています。特に「お寺で行う終活セミナーに手ごたえを感じている」と小林尚樹住職は語ります。
小林尚樹(こばやしなおき)
都立小松川高校卒業。大学卒業後に京都で真宗大谷派教師資格を取得。その後は㈱イナバインターナショナルに勤務。9年務めたが、勉強不足を痛感し、宗門の大谷大学大学院修士課程へ。卒業後は、本山の職員として、勤務。現在は退職し、お寺に専従。
「下町 深川」のおうちのようなお寺
光明寺は、下町・深川にある小さなお寺です。山門や伽藍のようなものはなく、住宅街の中にある少しだけ大きなおうちをお寺にしたような感じです。
ただでさえお寺と気づかれにくい上に、先代住職の頃は、お寺の取り組みを知ってもらう広報活動もしていませんでした。
2016年に住職に就任した時、まずはじめに、お寺を知ってもらうことから始めました。お寺の前に掲示板を設置し、ご門徒さまやお参りの方にお配りする寺報を作り、そしてホームページを開設し、「ここにお寺があるんだよ」と、情報発信に努めたのです。
次に、地域の方々に光明寺を活用してもらおうと、さまざまなイベントにチャレンジしていきます。ヨガ、カフェ、写経の会。こうした取り組みを寺報やSNS、さらには地域のタウン誌に掲載するなどして、少しずつ光明寺のことを知っていただけるようになりました。
お寺の終活セミナー。終活は「今を生きて往く」活動
そんな中で、光明寺が継続して行っているのが終活セミナーです。参加者の方々からも大変好評をいただいています。
「終活」と聞くと、葬儀やお墓や相続など、息を引き取るための準備だと思いがちですが、わたしは終活を「今をよりよく生きて往くための活動」だと捉えています。ですからテーマも、成年後見制度と家族信託、在宅医療と介護、高齢者住宅の選び方、マネープラン、自分史作成、フレイル(加齢による老化)予防などと、多彩です。
お寺の本堂で、仏さまに見守られながらの終活セミナー。アンケートには「お寺に集うことは癒しになる」「毎回心に響いています」などの声が寄せられ、ただ知識を得るだけでなく、心をケアする取り組みができているのではないかと思います。
わたしは終活の時に必ず「死にゆくいのちを生きて往く」ということをお話しします。いつか必ず死ぬこのいのち。日々、不安を抱えたり、悩みに苦しむこともあると思いますが、そんないのちを生きて往く(=往生)ためのご縁を、光明寺がおつなぎできればとの想いから、終活セミナーを継続しています。
仏さまと出会えることで安心して生きて往ける
終活、写経、ヨガ、カフェ…。光明寺で行われるこれらの取り組みは、すべてご本尊・阿弥陀如来がいらっしゃる場で行われていますし、気軽なイベント参加から、光明寺と仏縁を結んでくださった方も数多くおられます。
カフェに参加された方が、故郷である九州のお墓をどうしようかと悩みを打ち明けてくださったり、終活セミナーに参加された方が、セミナー終了後に個別に葬儀やお墓のご相談をして下さったり。
そんな時、わたしは必ず「任せてもらえれば大丈夫!」とお伝えします。お葬式ひとつとっても、光明寺の本堂を使ってもらうことで、お金のかからないお葬式が可能です。その方の願いに応えられるようなお葬式などの仏事に、自信と責任があるからこそ、そう言い切るのです。
光明寺のご本尊でもある阿弥陀如来が願われているのは、いのちあるものすべてが心安らかに生きて往くことです。「どんな人も必ず救う」「わたしに任せれば大丈夫」と誓われた阿弥陀如来。光明寺はさまざまな取り組みを通じて、阿弥陀如来の願いを、みなさまにお取次ぎしていきます。