【愛知県名古屋市昭和区】みんなの”得意”を持ち寄り、地域とつながる。教西寺の影絵劇を観に行こう!
2018.06.05
三宅千空
みなさまこんにちは。教西寺坊守(住職の妻)の三宅千空です。教西寺では毎年6月に影絵劇を上演しています。「影絵劇ってなに?手で形を作って影を映すのとは違うの?」「人形劇はみたことあるけど・・・」というお声をよく聞きます。ちょっと珍しい影絵劇、どんなものなのかお話しさせてください。
黒い影がまるで生きているよう。美しい影絵劇の世界
真っ暗な中に浮かび上がる美しい色彩の背景。そこに映し出される、人形の影。影が動き出すと、知らぬ間に影絵劇の世界に引き込まれていきます。「てかげえ」(「犬」「かに」「はと」など、手で形を作って障子などに影を映すもの)とは違う魅力を持つ、黒い影の人形なのに表情が読み取れるような気がする、「影たち」の「劇」です。
舞台は黒い幕の大きな箱。その一部分が白い布のスクリーンになっています。箱の裏からプロジェクターで背景を投影し、その背景の中で人形をスクリーンにぺたりと添わせる形で動かしていきます。
影絵劇で大切なのは、人形のデザインと話の世界観を伝える音楽
影絵劇は人形+登場人物+音楽で作られます。登場人物や動物、小道具は、厚いボール紙を切り抜き、墨を塗り、支柱をつけて作ります。影絵劇は、人形劇のように舞台に奥行きがない(使えない)ので、ほとんどの人形は横向きにデザインされます。お話で互いの目線が合うように、登場人物の年齢、人物と動物と一緒に出ているか、などによって人形の目や手の位置や向きが考えられています。活発なキャラは足幅を開き気味に、とか、途中で道具を持つキャラは手の向きはこれがいいかな、なども考慮します。
影絵劇の背景は、教西寺の舞台のスクリーンに映っているものは、パソコンでデジタルで制作したものです。住職が学生の時には、大きな黒ラシャの紙を切り絵のように切り抜き、色を付けたビニールと重ねていました。
また、影絵劇にとって音楽はとても大切な要素です。真っ暗な中、自分と影絵だけの世界で聞こえてくる音楽は、深いお話の世界へと私たちを連れて行ってくれます。
デジタルで可能になった色彩豊かな背景と、手作りのアナログな人形の動き、音楽と役の声が相まって、「影絵劇」の独特の世界が生まれます。
「得意」を生かして自由に参加。それぞれの関わり方がある影絵劇
教西寺の影絵劇が始まったのは2012年。毎年、新しい作品を作っています。一緒にやっているメンバーは、幼稚園や小学校で一緒に絵本の読み聞かせをしていたママ友。ご門徒さん。近所の中高生(子どものお友達)。ぴったりの音楽を選定してくださるご門徒さんのご家族。背景制作2年目の専門学校生。飛び込みでお見えになった方など。関わり方のきっかけは本当に様々です。今では影絵劇サークル『星あかり』と名前もつきました。教西寺での上演のほかこれまで、ご近所のお寺さん、別院、母子寮などで上演する機会をいただいています。また、名古屋市のお隣日進市教育委員会の依頼により、日進市の民話を映像会社さんとともに影絵で制作しました。住職が影絵劇の指導に行き、それ以来毎年高校生が独自で影絵劇を制作している高校もあります。
脚本となる絵本はメンバーで集まって選びます。住職が脚本にしたら、人形デザイン、制作、背景の制作、BGMの選定をそれぞれ得意なメンバーが、それぞれ関われる時間に参加しています。昼間の制作だけなら、という方や、部活終わってから練習に駆けつけてくれる中高生、当日のお手伝いは任せて!など、それぞれの都合をやりくりして集まってくださって、教西寺の影絵劇~キッズサンガができあがります。
教西寺に影絵劇を観に行こう!
どうぞ、6月10日(日)14時から16時、教西寺までいらしてください。無料で参加できます。おやつやジュースも準備して、お待ちしております。一緒におまいりをして、遊んで、おやつを食べて、影絵劇を観て、やりたい方は人形も作って舞台で動かしてみましょう♪
また、どうしても都合がつかないけど、ちょっとみてみたいな、と思ってくださった方、教西寺のホームページに過去作品がみられるようになっていますので、ぜひご覧ください。(youtubeでみられます)
詳しくは「まいてらカレンダー」をチェック!