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オンライン写仏「ツナガリイム」はじまります!(主催:一般社団法人SOCIAL TEMPLE)

2020.04.28

 山梨県に「建物なき寺院」を謳い、地域の様々な社会課題の解決に取り組む一般社団法人SOCIAL TEMPLEという団体があります。

 SOCIAL TEMPLEは僧侶だけでなく、様々な企業・団体・有志とともに活動を展開しています。老若男女みんながお寺に集い、ご飯を食べながら縁を深める「寺GO飯」、仏教やお寺の魅力を発信するメディア「お寺のじかん」、高齢者の「ゆくすえ」に関する相談に専門家と連携して幅広く対応する「ゆくすえサポート」等、活動は多岐にわたります。

みんなでご飯を食べる、寺GO飯の一コマ
ゆくすえサポートの様子

 活動がメディアにも取り上げられるようになり、地域からの反響も高まってきて軌道に乗ったかと思った矢先の、新型コロナウイルス感染症の影響拡大。お寺らしく、対面を大切にしてきた活動は大打撃を受けました。
 そこで、メンバーで知恵をしぼって考えた取り組みが、オンライン写仏しやぶつプロジェクト「ツナガリイム」です。

オンライン写仏プロジェクト「ツナガリイム」とは?

 寺社を参拝し写経(写仏)を納めた証として、寺社からいただく印が御朱印ごしゆいんです。ただ、現代では参拝の証として納経のうきようの替わりに、御朱印代を納めて御朱印を受けることが一般的になっています。
 忙しさに終われる現代人にとって、落ち着いて写経し、納経するのがなかなか困難になる中、御朱印代を納めて御朱印をいただくことは決して悪い事ではありません。しかし、寺社からすると、参拝者が写経に取り組んでいただき、それを納経いただくのがもっとも喜ばしいことでもあります。
 そして、新型コロナウイルス感染拡大防⽌のため自宅待機(stay home)の時間が増える中、普段出来ない写仏を通して心を落ち着けていただき、そして願いを込めた写仏を郵送し、納経した証として御朱印を授与するという企画が、オンライン写仏プロジェクト「ツナガリイム」です。

 仕組みはいたって簡単です。

 お寺のじかんにアクセスし、写仏をダウンロード
   ↓
 自宅で写仏をする(できれば、誓願(誓い・願い事)を書き、ハッシュタグ(#ツナガリイム)を付けてInstagramに投稿)
   ↓
 賛同寺院に郵送し、納経(※郵送先の寺院は、お寺のじかんに掲載)
   ↓
 賛同寺院より御朱印を郵送
   ↓
 寺院にて祈願
   ↓
 新型コロナウイルス感染症が終息後、納経した寺院に参拝(※任意)

ダウンロードできる写仏のお手本(第一弾は蓮華)

 そして、この取り組みでは、写仏と御朱印は無料です。
 みんなが不安に包まれる中、人々と寺社が距離では離れていても、写仏と御朱印を通して心でつながり合い、安心感を広げようというのがこの活動の大きな意義と言えます。
 届いた御朱印は、この不安な時期における「御守り」とも言えるかもしれません。

ツナガリイムを通じ、世界の誰かとつながっていることを感じてほしい

 ツナガリイムの背景や意義について、一般社団法人SOCIAL TEMPLE代表理事であり、日蓮宗・妙性寺住職でもある近藤玄純げんじゆんさんにおうかがいしました。

近藤玄純(こんどうげんじゅん)

昭和50年山梨県生まれ。檀家80軒の小さなお寺だからできる事を考えながら地域と共にあるお寺を目指して運営中。また宗派を超えたお坊さんたちと「建物なき寺院SOCIAL TEMPLE」にて『ゆるやかで主体的参加ができるやさしい社会』作りを目標に活動している。日蓮宗妙性寺住職。一般社団法人SOCIAL TEMPLE代表理事。

妙性寺寺院ページ

-このプロジェクトを思いついたきっかけや、立ち上げの経緯はどのようなものだったのですか?

 4年前から、山梨県内の宗派を超えたお坊さんたちと、お寺らしさを活かしながら、社会に貢献できる活動を展開してきています。目の前の一人ひとりと向き合い、居場所作りや、現代特有の苦しみや困りごと解決のお手伝いを、お坊さんとして何ができるかを考えながら活動してきました。

 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、仏教・お寺メディア「お寺のじかん」以外の活動は中止に追い込まれてしまいました。対面コミュニケーションでの取り組みが多数を占めていた私たちの活動は、手足を奪われたと同然の状況に陥ってしまいました。

 SOCIAL TEMPLEに関わる一人ひとりがこの状況で焦りと無力感を感じました。オンライン会議などを通じ日々刻々と変わる状況で何ができるかを考えていた折、「お寺のじかん」でも記事を執筆していただいている画家eisuiさんからご連絡をいただきました。画家eisuiさんは「絵師映水えいすい」としても活動をされ、アートを通じてお釈迦様の教えを伝える活動をされています。

発起人の一人、画家eisuiさん

 そして、この状況下での思いを共有した私たちは、コロナ禍の中で不安を抱えられている皆様に少しでも安心あんじんを届けたいという気持ちから、このツナガリイムというプロジェクトを構想しました。仕組みとしては、eisuiさんが写仏会で使われているお手本の絵を提供していただき、私たちお坊さんが写仏をお寺で受け取り、写仏納経の証明書として御朱印を発行、お送りし祈願法要(納経法要)を行うという流れです。

 また日頃からSOCIAL TEMPLEの活動をご支援いただいている山梨県のホームページ制作会社・株式会社マニュアルズ様のWEB部門での技術協力、全国の数ある寺社仏閣のお札を手掛けている山梨県にある株式会社丸井紙店様の御朱印紙の制作協力があり、一つのプロジェクトとして世に出せることになりました。

-「ツナガリイム」とはどのような意味なのでしょうか?

 大人も子供も外出制限で自宅待機を余儀なくされている状況で、毎日会えるはずの人に会えなかったり、日常のルーティンを行えないことで心身のバランスを崩されている方が多くいらっしゃいます。またTV報道やSNSの大量の情報で消耗もされている方も多いのではないでしょうか。
 自宅待機の中でも「あなたと私はつながっている」ということ、そして「私と仏様はつながっている」ということを感じ取っていただけたらと思い、「ツナガリ」という言葉を使いました。
 そして、イムですが、人偏の「イ」に「ム」と書いて「仏」という字を表しています。親しみを持ってもらうためにカタカナ表記で「ツナガリイム」としました。

-「ツナガリイム」に参加するユーザーにとっては、どんな嬉しさ・楽しさがありますか?

 大人の方々には写仏を通して、心穏やかにする時間にしていただきたいと思っています。写仏や写経は自分自身と向き合い、浮かび上がってくる思いを観察する事で見えてくるものがあります。浮かび上がってくる思いを認め、手放し、そしてまた写仏に集中する。これを繰り返すことで、「今ここ」に生きていることを実感します。心の平静を保つことは容易ではありませんが、繰り返し行うことで「囚われない」心が鍛え上げられます。

 お子さんは難しければ塗り絵でもかまいません。目の前の作業に集中して子供ならではの想像力を発揮し、思い思いの仏様を完成させていただきたいです。自宅待機でストレスも溜まっていることでしょう。写仏は学校の課題やゲームとは使う頭が違いますので、楽しみながら写仏に取り組んでいただきたいですね。

-「ツナガリイム」が目指しているものや、この取り組みに込めた願いは何でしょうか?

 ツナガリイムが目指すものは、行為を通して心の「安心あんじん」を養っていただくことです。日常のルーティンが崩れ、不慣れな状況が目の前に現れると人間は必ず順応しようとします。その時に、うまく順応できる人もいれば苦手な人もいます。苦手な方にとっては、あえて変化をつけることで適応も進むと思います。その変化の一助としてツナガリイムがお役に立てれば幸いです。
 そして、現在苦しいのは自分だけではないという点にも思いを馳せていただきたいです。ご自身の心の安定に努めることは、他者の心の安定にもつながります。自宅待機の中でも、ツナガリイムに取り組むことで世界の誰かとつながっている、一人ではないということを実感していただきたいです。

 またデジタル社会が進む中で、「書く」というアナログの営みを考え直していただきたいです。「書」という字は筆を手に持つ形を表すと言われています。また「書」の文字の下の部分の「日」という字は神への祝詞のりとを入れる箱という意味があるそうです。神様や仏様へ願いを込めるために「書く」という行為があるわけです。
 デジタルの良い部分は世界中の人とつながれること。アナログの良いところは思いを込める一手間が生み出されること。アナログとデジタルの両方を組み合わせることで生まれる、他者とつながりを感じていただきたいです。

 そして、効率化を追求してきた資本主義の限界が訪れている今だからこそ、あえてテレビやスマホと離れ、非効率の大切さを感じていただきながら立ち止まる時間を作っていただきたいです。

オンライン写仏「ツナガリイム」はこちら

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まいてら 編集部

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まいてら編集部は、まいてらの運営メンバーで構成されています。会いたくなるお坊さんの人柄、 行ってみたくなるお寺、 学んでみたくなる仏教の智慧。あなたの生活をちょっぴり豊かにする、 そんな情報をお届けします。

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