お賽銭、小銭ない場合はどうする?キャッシュレスの時代は、寺社で両替サービスが欲しい
2021.03.18
財布の小銭を全てお賽銭にする習慣
仕事柄、全国色々なお寺や神社にお参りします。本堂や本殿で手を合わせる時、お財布の中にある小銭を全てお賽銭にする習慣を心がけています。
この習慣を始め理由は、毎回お賽銭の金額を考える気持ちがわずらわしかったからです。そして、試しに全部の小銭をお賽銭に入れてみたら、気持ちがスッキリ。これはいいと思い、続けています。
小銭が財布にいくらあるかもその時のご縁なので、時には千円を超えるお賽銭もあれば、数円のこともあります。でも、「全部お布施(お賽銭)」と決めているので、お賽銭の多寡が気になることもありません。
お賽銭、小銭がない場合はどうする?
この一年、外出が減ったことでお釣りの発生する買い物がめっきり減ったことに加え、電子マネーを使えるお店が増えたため、財布の中に小銭があることがとても珍しくなりました。まさにキャッシュレスの時代です。
お賽銭をする際【お財布に小銭がない】ということもあります。
そのため、小銭がない時には、千円札をお賽銭にするようになりました。
ただ、お札はお賽銭箱にうまく入らないためすき間から手を入れて押し込む必要があったり、小銭を投げ入れる時の「ジャラジャラ」という音が鳴らないため、どうも気持ちがスッキリしません。
そして、毎回千円札を入れることが、お財布に優しくないことも気がかりに・・・。
お賽銭はやっぱり小銭がベスト!タイの寺院のサービスが素敵
今後、お賽銭箱の横にある電子マネーで「シャリーン!」という音のお賽銭ができるお寺や神社が増えていくでしょう。
ただ、個人的には電子マネーの時代になっても、小銭の「ジャラジャラ」という音を立ててお賽銭を入れたい気持ちが強いです。小銭が多い時の音はなんとも言えませんし、お参りにきたという実感を持てるのは圧倒的に小銭です。
話は変わりますが、タイのバンコクに、ワット・ポーという涅槃像が有名な寺院があります。私はこのお寺の賽銭箱がとても好きです。
全長46メートルの巨大な涅槃像の前には、100個以上の賽銭箱がズラリと並び、参拝者は涅槃像の頭から足のほうに順番に歩きながら、お賽銭を入れていきます。
当然、そんなに小銭を持っている人はいないので、ワット・ポーではお札をたくさんの小銭と両替してもらえるサービスがあります。
ずっしりとした小銭袋を持ちながら、ひたすらお賽銭を入れ続けると、途中からあれこれ考えなくなり、最後は無心でスッキリした気持ちよさになります。
寺社で電子マネーを小銭に両替してもらえるとうれしい
時代の流れで、電子マネーがお寺・神社に普及していくことは避けられないでしょう。
であれば、電子マネーで小銭を両替してもらえるサービスがあると、個人的にはとても嬉しく思います。
そして、そのサービスは寺社にもメリットがあります。今は小銭のお賽銭は、5円や10円の人がほとんどでしょう。しかし、電子マネーで両替してもらう場合、わざわざ10円を両替する人は少ないでしょうから、自然と単価が上がるはずです。
両替の最低金額を決めたり、300円セットや500円セットなど、少し高めの金額帯で両替を準備しておけば、手間も削減できますし、電子マネーの手数料もカバーできます。また、お賽銭の中にある小銭を循環活用すれば、銀行の両替手数料もかかりません。
逆説的ですが、電子マネーの時代こそ、やっぱりお賽銭は小銭が一番です。ジャラジャラという音と、小銭を投げ入れる身体感覚は電子マネーでは代替できません。
電子マネーのお賽銭に反対する寺社も少なくないと聞きますが、時代に応じた参拝者の気持ちに立ち、神仏と人々との心の距離を縮める最適なお賽銭のあり方を、全国の寺社には工夫していただきたいものです。