【お坊さんの書棚①】外に出られない日はどう過ごす?『バムとケロのにちようび』 島田ゆか 作(本休寺・岩田親靜住職)
2020.04.13
僧侶ならではの視点で、おすすめの本をご紹介していくミニコーナーです。実は、本を例に挙げて法話をすることも多いお坊さんたち。お子さまからお年寄りまで、ぜひ気軽に手にとってみてください。
外に出られない日はどう過ごす?
外に出られない日はどう過ごすと良いでしょうか?
『バムとケロのにちようび』は真面目で面倒見がよい犬のバムくん、わがままなカエルのケロちゃんが雨の日に繰り広げるドタバタ劇です。ケロちゃんの後始末に奔走しながらも、決して怒らないバムくん、普通ならつまらない雨の一日をどのように楽しむのか?
なにげに料理、掃除、洗濯もしながら、ケロちゃんとともに楽しんでいるバムくん。凄腕のスーパー主夫としか言いようがありません。最後に出てくる本棚……あ、私の部屋も積読で魔窟になっている……ちょっと反省しますが……。
ここに描かれているのは、「共にいる」「共にある」楽しみだと思います。
日々、子供と一緒にいるとカッときたり、怒ったりしてしまうことがあります。また、なぜ解ってもらえないんだと悩むこともあるでしょう。
「わたしには子がある。私には財があると思って愚かな人は悩む。しかしすでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。」(ダンマパダ『真理のことば』より)
お釈迦様もこのように述べています。
共にいる、共にあるためには、相手を尊重することが必要であり、冷静であることが求められています。バムくんは驚きはしますが、怒らない。あたふたするけど、一緒に楽しめることを見つけています。なかなか出来ませんが、大人のふるまいですね。
子供に振り回されて、日常のイライラが増えているお母さん、お父さんも多いかもしれません。ちょっと視点をかえて日常を眺めてみませんか?