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	<title>絵解き &#8211; まいてら</title>
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	<description>安心の寺院・僧侶紹介。あなたにピッタリの探し方</description>
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		<title>「地獄VR」という現代の伝道手法。バーチャルとリアルが融合した体験価値（妙法寺・横浜市）</title>
		<link>https://mytera.jp/paper/myouhouji1_jigoku_vr/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[まいてら 編集部]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 15 Jun 2022 04:38:16 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[「そんなことしたら、地獄に落ちるぞ！」 　小さい時に祖母から言われた記憶がおぼろげにありますが、最近はこの言葉を聞くことはまったくなくなりました。 　現代の日常生活で存在感を失いつつある地獄ですが、地獄を体感できる画期的 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="c_profile-c"><div class="c_profile__img"><div class="c_profile__imgcircle"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2017/02/prof_ide2.jpg" alt="" loading="lazy"  width="189" height="189"></div></div><div class="c_profile__info"><p class="c_profile__title-a">井出悦郎（いでえつろう）</p><p class="c_profile__txt-a">まいてら代表。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、まいてらを運営する一般社団法人お寺の未来を創業。同社代表理事を務める。東京大学文学部卒。</p><p class="c_profile__txt-b"><a href="https://mytera.jp/column/etsuro_ide/" target="_blank"><i class="icon icon_hp-a"></i>井出執筆の記事</a></p></div><!-- /c_profile-b --></div>
<p>「そんなことしたら、地獄に落ちるぞ！」</p>
<p><em>　</em>小さい時に祖母から言われた記憶がおぼろげにありますが、最近はこの言葉を聞くことはまったくなくなりました。</p>
<p><em>　</em>現代の日常生活で存在感を失いつつある地獄ですが、地獄を体感できる画期的な試みを、<a href="https://mytera.jp/tera/myouhouji1/monk/"><ruby>妙法寺<rt>みようほうじ</rt></ruby>（横浜市・日蓮宗）</a>が始めました。しかも、VRという最新テクノロジーを駆使する形で。</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR-1024x723.jpg" alt="地獄VR" width="640" height="452" class="aligncenter size-large wp-image-31584" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR-1024x723.jpg 1024w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR-300x212.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR-768x543.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR-1536x1085.jpg 1536w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR.jpg 2000w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></p>
<h2 class="c_header_post-b">現代に合った仏教伝道の手法を開発したい！</h2>
<p>「仏教の歴史は伝道の歴史です。それぞれの地域の社会情勢に合わせて、伝え方を柔軟に変えてきました」と熱く語る<ruby>久住謙昭<rt>くすみけんしよう</rt></ruby>住職。<br />
<em>　</em>地獄VRを作るきっかけになったのは、<ruby>絵解<rt>えと</rt></ruby>きという伝統芸能との出会いだったそうです。仏の教えの世界を表した絵画を前に、巧みな語りで人を惹きつける絵解き師の姿を見て、現代においても今を生きる人に適した仏教伝道の手法を開発できるのではないか。そんな思いが地獄VRの制作を後押ししました。</p>
<p><strong>参考記事：<a href="https://mytera.jp/paper/nikki-etoki/" rel="noopener" target="_blank">仏の教えを目の前に現す。語りの宗教芸能「絵解き」の世界</a></strong></p>
<p><em>　</em>そして、2022年4月から開始された妙法寺の「地獄VR」体験会。実施にこぎつけるまでは様々な苦労がありました。</p>
<p>「VRというキャッチな言葉に引っ張られ、浮かれた内容にしたくなかったんです。何度も挫折しながら完成に至りました」</p>
<p><em>　</em>そう語るのは、地獄VRの制作プロデューサーを担われた妙法寺の安田ひとみさん。<br />
<em>　</em>実際に脚本制作に入るまで長い時間がかかったとのこと。有名な地獄絵図の著作権の問題、昔の絵図は怖すぎて見続けられないという点、VR映像の適切な長さ、大勢で一度に見るための技術的な課題等々、VR映像の制作は株式会社百人組の協力を得てハードルを一つずつクリアし、苦節3年で完成に至りました。</p>
<h2 class="c_header_post-b">地獄VRだけではない。とても練られた地獄体験プログラム</h2>
<p><em>　</em>2022年4月からはじまった毎月の体験会も、6月12日(日)で既に3回目。久住住職と安田さんは毎回緊張するとのことですが、とてもこなれた運営で、スムーズに進行しました。</p>
<p>「地獄VR」体験のプログラムは以下の流れで進みます。レクチャー、VR、法要という、リアルとバーチャルが組み合わさった内容です。</p>
<ul>
<li>住職のお話し：地獄の基礎知識（15分）</li>
<li>地獄VR体験（7分）</li>
<li>住職のお話し：振返り＆まとめ（10分）</li>
<li><ruby>懺法会<rt>せんぽうえ</rt></ruby>法要（20分）</li>
</ul>
<figure id="attachment_31586" aria-describedby="caption-attachment-31586" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-1024x768.jpg" alt="黒縄地獄" width="640" height="480" class="size-large wp-image-31586" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-1024x768.jpg 1024w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-300x225.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-768x576.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-1536x1152.jpg 1536w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/kokujou-2048x1536.jpg 2048w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /><figcaption id="caption-attachment-31586" class="wp-caption-text">久住住職による地獄の解説</figcaption></figure>
<p><em>　</em>最初は久住住職による地獄の基礎知識のお話し。<br />
<em>　</em>地獄の種類が8種類もあるということは初めて知りました。刑務所でもある地獄には刑期があり、その天文学的な年数にも驚きました。<br />
<em>　</em>加えて、地獄の罰も多種多彩で、昔の人はよくこんな罰を考えたなぁと思わされる内容です。地獄の罰を真面目に聞いていると、身体がぞわぞわしてきます。</p>
<p><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/9c3de8c475c1ef51426541cc21f997bb-1024x607.jpg" alt="閻魔様" width="640" height="379" class="aligncenter size-large wp-image-31583" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/9c3de8c475c1ef51426541cc21f997bb-1024x607.jpg 1024w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/9c3de8c475c1ef51426541cc21f997bb-300x178.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/9c3de8c475c1ef51426541cc21f997bb-768x455.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/9c3de8c475c1ef51426541cc21f997bb.jpg 1500w" sizes="(max-width: 640px) 100vw, 640px" /></p>
<p><em>　</em>そして、いよいよ地獄VRの体験です。詳しくは、実際に体験してみてのお楽しみですが、参加者の声をご紹介いたします。</p>
<p>「VR映像の没入感があって楽しめました」<br />
「VRの表現も決して突拍子なものではなく表現方法の試行錯誤の一つなのだと思いました」</p>
<p><em>　</em>7分という時間が短いと感じることや、アニメの効果で怖さが和らいでいることに、少し物足りなさを感じる声も一部にはありました。<br />
<em>　</em>しかし、地獄VR体験が単体で存在しているというよりも、全体のプログラムを通じて地獄を味わうために、地獄VR体験が一つの重要な素材として機能していると考えます。</p>
<p><em>　</em>VR体験の後は、久住住職によるまとめのお話。それまで地獄を考え続けてきた参加者には、「地獄はどこかにあるのではなく、自分の中にある。今ここが地獄である」という言葉がとても響いたようです。<br />
<em>　</em>この言葉の真意を味わうには、ぜひ地獄体験にご参加いただくことをおススメいたします。</p>
<h2 class="c_header_post-b">線香の煙とともに罪の意識を軽減する<ruby>懺法会<rt>せんぽうえ</rt></ruby>法要</h2>
<p><em>　</em>この日のプログラムを通じて、個人的には<ruby>懺法会<rt>せんぽうえ</rt></ruby>法要がとても印象に残りました。</p>
<p><em>　</em>これは懺法と書かれた紙線香に自分の罪を書き、読経とともに火に燃やして香炉にくべる法要になります。<br />
<em>　</em>参加者それぞれの罪が書きこまれた線香は、香炉から煙となって立ち上ります。その煙を見ていると、本堂の仏さまの温かさに包まれ、罪が浄化されていくような気持ちになりました。</p>
<figure id="attachment_31585" aria-describedby="caption-attachment-31585" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-1024x768.jpg" alt="懺法の紙線香" width="640" height="480" class="size-large wp-image-31585" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-1024x768.jpg 1024w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-300x225.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-768x576.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-1536x1152.jpg 1536w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/senpou-2048x1536.jpg 2048w" sizes="auto, (max-width: 640px) 100vw, 640px" /><figcaption id="caption-attachment-31585" class="wp-caption-text">懺法と印字された紙線香。裏面に自らの罪を書き、線香を丸めて火をつけ、香炉にくべる</figcaption></figure>
<p><em>　</em>罪の浄化という点で、例えばカトリック教会では罪を告白し<ruby>懺悔<rt>ざんげ</rt></ruby>する「<ruby>告解室<rt>こつかいしつ</rt></ruby>」があります。<br />
<em>　</em>しかし、日本社会では自らの罪を悔い、浄化していく機会や場所が、日常生活の中では存在感が薄いように思います。個々人が抱く罪の意識や気になっていることを、読経や祈りを通じて浄化・軽減してあげるのは、お寺本来の役割と言えるでしょう。<br />
<em>　</em>死者に手を合わせるだけでなく、自分自身の人生のために祈り、手を合わせる。<ruby>懺法会<rt>せんぽうえ</rt></ruby>法要は、自らが前向きに生きていくための儀礼の力を示してくれているように思いました。</p>
<p><em>　</em><ruby>懺法会<rt>せんぽうえ</rt></ruby>法要が始まったのは、日曜日の午後4時くらいから。多くの人が翌日から仕事が始まる週初めを前に、自らが抱える重荷を降ろすにはちょうどよい機会だと感じました。</p>
<h2 class="c_header_post-b">VRとお寺というリアルの場・営みが融合した体験価値</h2>
<p><em>　</em>最後に参加者の声をご紹介いたします。</p>
<p>「VRの体験（イベントとしての興味）で申し込みましたが、体験を通じて日々の生活を振り返ることができました」</p>
<p>「VRとリアルが同時に体験できるのはとても素晴らしいと思います」</p>
<p>「VR体験というきっかけでお寺に来て、お香をかぎながら懺法会にも参加できたのがとても良かったです」</p>
<p>「新しい試みにもかかわらず、映像やワークショップも洗練されており、本当に力を注いで制作されたことがよく伝わりました。期待以上のすばらしい時間をいただくことができ、日々の人間関係や心持ちを見直すきっかけになりました」</p>
<p><em>　</em>地獄VRという興味を惹くきっかけでお寺に来たものの、久住住職のお話しや実際の法要というリアルの体験を通じ、参加者は事前の想像以上の価値を感じたようです。<br />
<em>　</em>バーチャルとリアルの融合という点では、古来に開発された絵解きも絵図（バーチャル）と場・語り（リアル）が融合した手法と言えますし、現代の地獄VRにおいてもその本質は変わらないのかもしれません。</p>
<p><em>　</em>百聞は一見に如かず。ぜひお寺という場で地獄VR体験にご参加されてはいかがでしょうか？<br />
<em>　</em>バーチャルだと思っていた地獄を、今ここの自分の中にリアルで感じられるようになることが、日々をイキイキと前向きに歩んでいくための<ruby>古<rt>いにしえ</rt></ruby>からの秘訣なのかもしれません。</p>
<div class="c_tera-a"><div class="c_tera__img"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2022/06/VR.jpg" alt="お寺画像" loading="lazy"  width="275" height="162"></div><div class="c_tera__info"><div class="c_tera__txt-a">妙法寺(神奈川県横浜市)</div><div class="c_tera__title-a">地獄VR</div><div class="c_tera__txt-b">おまえはどう生きてきたんだ？</div><p class="c_tera__btn_group-a"><a href="https://jigoku-vr.com/" class="c_btn-b c_btn_arrow-a c_bgcolor-a c_btn_size-b c_btn_fsize-b" target="_blank">特設ページを見る</a></p></div></div>
<div class="c_tera-a"><div class="c_tera__img"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0001_01eyecatch.jpg" alt="お寺画像" loading="lazy"  width="275" height="162"></div><div class="c_tera__info"><div class="c_tera__txt-a">神奈川県横浜市戸塚区</div><div class="c_tera__title-a">経王山 妙法寺</div><div class="c_tera__txt-b">地域に根ざした７００年のお寺</div><p class="c_tera__btn_group-a"><a href="https://mytera.jp/tera/myouhouji1/monk/" class="c_btn-b c_btn_arrow-a c_bgcolor-a c_btn_size-b c_btn_fsize-b" target="_blank">寺院ページを見る</a></p></div></div>
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		<gnf:modified>Tue, 07 Apr 2026 01:49:11 +0000</gnf:modified>
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		<title>仏の教えを目の前に現す。語りの宗教芸能「絵解き」の世界</title>
		<link>https://mytera.jp/paper/hasedera20_nikki-etoki/</link>
					<comments>https://mytera.jp/paper/hasedera20_nikki-etoki/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[まいてら 編集部]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 15 Feb 2018 03:29:00 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[仏教に興味を持ち、その心を知りたいと思ったとき、教えを学ぶためにはどのような手段があるでしょうか。 入門書を読む、テレビの連続講座を見る、手塚治虫の『ブッダ』を読む、お寺でお坊さんに聞く・・・仏の教えの入り口に立つアプロ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi.jpg" alt="" width="840" height="560" class="aligncenter size-full wp-image-2268" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi.jpg 840w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi-300x200.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi-768x512.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi-600x400.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 840px) 100vw, 840px" /><br />
仏教に興味を持ち、その心を知りたいと思ったとき、教えを学ぶためにはどのような手段があるでしょうか。<br />
入門書を読む、テレビの連続講座を見る、手塚治虫の『ブッダ』を読む、お寺でお坊さんに聞く・・・仏の教えの入り口に立つアプローチには様々なものがありますが、これからは「絵解き（えとき）」をその中の一つに加えてみてはいかがでしょうか。</p>
<h2 class="c_header_post-b">絵解きは民衆に親しまれてきた語りの芸能</h2>
<p>「絵解き」とは、文字通り、ある絵画に描かれていることをわかりやすく説明することをいいます。仏の教えの世界を表した絵画を前に絵解き師がその心を語り、聞く人たちとお釈迦様との出会いを育むのです。<br />
はるか昔、インドで始まった絵解きはシルクロードを通って日本に伝わり、平安時代には日本で絵解きが行われていたという記録が残っています。鎌倉時代以降に絵解きの専門職が生まれ、お寺や神社を中心に一般の民衆に向けて様々な絵解きが行われていきます。こうして絵解きという宗教的な芸能は室町時代から江戸時代にかけて日本中に広まっていきました（岡澤恭子氏「釈迦涅槃図絵解き資料」より）。</p>
<figure id="attachment_11880" aria-describedby="caption-attachment-11880" style="width: 550px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki11.jpg" alt="" width="550" height="548" class="size-full wp-image-11880" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki11.jpg 550w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki11-150x150.jpg 150w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki11-300x300.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki11-280x280.jpg 280w" sizes="auto, (max-width: 550px) 100vw, 550px" /><figcaption id="caption-attachment-11880" class="wp-caption-text">絵解きで用いられることの多い釈迦涅槃図(国宝 仏涅槃図 1086年 高野山金剛峯寺所蔵)</figcaption></figure>
<p>現在のように公教育が整備されていない時代、字の読めない人や仏教の知識がない人たちは絵解きによって仏の教えの世界を体験していました。漢字だらけの難しい本に跳ね返されている今の世の人たちも、絵解きを通して仏教の入り口に立つことができるのです。</p>
<h2 class="c_header_post-b">嫁いだお寺で釈迦涅槃図が見つかり絵解きを継承。自らの使命と感じ全国を絵解きの旅へ</h2>
<p>日本の中世から近代にかけて盛んに行われてきた絵解きですが、明治時代の廃仏毀釈（はいぶつきしゃく：神道と仏教を分離するために進められた仏教排斥の動き）やテレビなどの娯楽の発展によって絵解きの文化は衰退していき、長い歴史を持つこの宗教的芸能も現代ではあまり知られていません。<br />
そんな今やお目にかかることが少なくなってしまった絵解きを継承し、全国をまわって仏の教えを広く多くの人々に伝えている一人の女性がいます。岡澤恭子さん、長野県の<a href="https://mytera.jp/tera/hasedera20/monk/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">長谷寺</a>というお寺の寺庭婦人（住職の奥様）です。</p>
<div class="c_profile-c"><div class="c_profile__img"><div class="c_profile__imgcircle"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_03prof.jpg" alt="" loading="lazy"  width="189" height="189"></div></div><div class="c_profile__info"><p class="c_profile__title-a">岡澤 恭子（おかざわ きょうこ）</p><p class="c_profile__txt-a">昭和44年愛知県生まれ。平成5年立命館大学大学院日本文学研究科博士前期課程修了。平成10年に長谷寺所蔵の大涅槃図の修復を機に絵解きを復興。以来、長谷寺を中心に、全国各地で絵解きをおこなっている。</p></div><!-- /c_profile-b --></div>
<p>岡澤さんは愛知県出身。親戚一人いない、それまでまったくご縁のなかった長野県のお寺へ1996年に嫁ぎました。お寺の生活に入って間もなく、日常が慣れないことで溢れていたある日、ぐるぐると頑丈に巻かれた大きな絵画がお寺から発見されます。<br />
ちょうどその時、長谷寺には古文書の調査が入っていて、発見された絵が江戸時代中期に描かれた「釈迦涅槃図（しゃかねはんず）」であることがわかりました。そして、その発見は長く途絶えていた長谷寺の絵解きの歴史を示すものだったのです。地域の協力のもとボロボロだった涅槃図が修復されたことを機に、岡澤さんは絵解きの復興を担うことになりました。<br />
その当時、岡澤さんには一人目のお子さんが生まれたばかり。初めての絵解きの場に訪れたたった一人のお客さんを前に、赤ちゃんを背中におぶりながら涅槃図に描かれた世界を語り始めたのだそうです。</p>
<figure id="attachment_2262" aria-describedby="caption-attachment-2262" style="width: 840px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_06syouroumon.jpg" alt="" width="840" height="560" class="size-full wp-image-2262" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_06syouroumon.jpg 840w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_06syouroumon-300x200.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_06syouroumon-768x512.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_06syouroumon-600x400.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 840px) 100vw, 840px" /><figcaption id="caption-attachment-2262" class="wp-caption-text">長野県長野市 長谷寺</figcaption></figure>
<p>長谷寺で始まった岡澤さんの絵解きは今年で20年になります。真言宗智山派の総本山、智積院（ちしゃくいん）にて毎年絵解きを行うほか、長谷寺を中心に全国各地のあらゆる学びの場へ出張し、行う講演は毎年約40回ほどにのぼるといいます。不思議なご縁が積み重なって絵解きという芸能のバトンを受け取った岡澤さん。その語りは、長谷寺の釈迦涅槃図を目の当たりにする多くの人びとの仏縁を結びつづけています。</p>
<h2 class="c_header_post-b">釈迦涅槃を「知る」のではなく「体験する」。涅槃の風景を描き出す語りの力</h2>
<p>去る1月下旬の雪の残る寒さの日、<a href="https://mytera.jp/tera/ryuunji5/monk/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">東京都世田谷区龍雲寺</a>で開かれた法話会「ダンマトーク」にて、岡澤恭子さんによる「釈迦涅槃図お絵解き〜お釈迦様最後の旅〜」が実演されました。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki05-1.jpg" alt="" width="840" height="560" class="aligncenter size-full wp-image-11887" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki05-1.jpg 840w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki05-1-300x200.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki05-1-768x512.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki05-1-600x400.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 840px) 100vw, 840px" /></p>
<p>本堂の中央に長谷寺所蔵「大涅槃図」のレプリカが安置され、100人を超える参加者がお釈迦様の涅槃の姿を囲みます。<br />
そもそも、「釈迦涅槃図」とはお釈迦様（仏教の始祖、ゴータマ・ブッダ）が人生80年の最後、涅槃（煩悩から解脱した悟りの境地、ブッダの死）の時を迎えた様子が描かれたもの。釈迦涅槃図の絵解きはその長い歴史の中で、全ての人に必ず訪れる「死」について思いを馳せ、自らの生き方を問い直すことを民衆に説いてきました。</p>
<p>岡澤恭子さんの絵解きは「釈迦」や「涅槃」という言葉を解説し、絵解きの歴史を簡単に振り返ってから始まります。はじめに涅槃図にむかって手を合わせ、一礼した後に『平家物語』冒頭の一節を暗唱します。</p>
<blockquote><p>祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり<br />
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす</p></blockquote>
<p>そして始まる語りは、釈迦涅槃の情景を目の前に現していきます。涅槃図を前にした全員がお釈迦様が永遠の眠りにつこうとしているまさにその瞬間を目のあたりにするのです。<br />
語りの抑揚や息遣いによって絵画の風景を映し出す姿はまさに芸能。涅槃図に散りばめられた情報の解説によってその全景を「知る」のではなく、涅槃の時をお釈迦様とその周りを囲む全ての生き物とともに「体験する」。涅槃図の世界に入るその舞台を岡澤さんはつくり出すのです。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki01.jpg" alt="" width="560" height="747" class="aligncenter size-full wp-image-11878" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki01.jpg 560w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2018/02/nikki-etoki01-225x300.jpg 225w" sizes="auto, (max-width: 560px) 100vw, 560px" /></p>
<p>龍雲寺の本堂に集った子どもからお年寄りまで100人を超える人びとが、お釈迦様の生き方に出会い、亡くなる様を目撃し、仏教の死生観を学ぶ。絵解きという芸能が継承する、教えを伝える知恵や技術の素晴らしさを感じました。</p>
<p>知識として頭に入れるよりも、経験としてリアリティのある学びをすることで、お釈迦様の言葉はより身近な問題として目の前に現れてくるでしょう。<br />
絵解きは、仏教の世界の入り口に立ちたいと思ったときに、最も強烈に、そして鮮明に仏の教えを示してくれる最高の案内になってくれるはずです。</p>
<p>長谷寺ではお釈迦様の命日にあたり、毎年3月15日に「大涅槃図」を公開。岡澤恭子さんによる絵解きを鑑賞することができます。<br />
2.3メートル四方と大きな涅槃図の実物を見られる貴重な機会。ぜひ足をお運びください。<br />
くわしい情報は<a href="https://mytera.jp/calendar/20180315-0020-etoki/" rel="noopener noreferrer" target="_blank">まいてらカレンダー</a>をご参照ください。</p>
<h2 class="c_header_post-b">絵解きを体験したいあなたへ</h2>
<p>「釈迦涅槃図」と並んで、絵解きの二大人気といえば、「極楽地獄絵図」です。<br />
釈迦涅槃図では、仏さまの生涯の終焉を通じて死生観を伝え、地獄絵図では地獄で繰り広げられる人びとの苦しみの様子から仏教的善悪観を伝えたとされています。全国の地獄絵図を所有するお寺で絵解きが行われていますので、ぜひチェックしてみてください。</p>
<p>また、京都府の<a href="https://mytera.jp/tera/saiganji23/event/#tera_tab_block" rel="noopener noreferrer" target="_blank">西岸寺</a>では、不定期で「九相図（くそうず）」の絵解きを行っています。九相図とは、人間が死んで腐敗し、骨になるまでを描く仏教絵画 です。無残に変化してゆく人体は、人の世が無常（変わらないことはない）であることを示すものとされています。</p>
<figure id="attachment_4202" aria-describedby="caption-attachment-4202" style="width: 840px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/09/0023_09_kusouzu.jpg" alt="" width="840" height="560" class="size-full wp-image-4202" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/09/0023_09_kusouzu.jpg 840w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/09/0023_09_kusouzu-300x200.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/09/0023_09_kusouzu-768x512.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/09/0023_09_kusouzu-600x400.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 840px) 100vw, 840px" /><figcaption id="caption-attachment-4202" class="wp-caption-text">西岸寺の九相図</figcaption></figure>
<p>明治の廃仏毀釈により、絵解きの文化は一度衰退してしまったため、絵解きを体験する機会は貴重で限られていますが、お寺を中心に全国で絵解きの復興と継承が進められています。<br />
ぜひ、絵解きを実際に鑑賞して宗教的芸能における伝え方の知恵や技術を体験し、仏教の世界を感じてみてください。</p>
<div class="c_tera-a"><div class="c_tera__img"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_01eyecatch.jpg" alt="お寺画像" loading="lazy"  width="275" height="162"></div><div class="c_tera__info"><div class="c_tera__txt-a">長野県長野市</div><div class="c_tera__title-a">金峯山 龍福院 長谷寺</div><div class="c_tera__txt-b">日本三所　長谷観世音霊場</div><p class="c_tera__btn_group-a"><a href="https://mytera.jp/tera/hasedera20/" class="c_btn-b c_btn_arrow-a c_bgcolor-a c_btn_size-b c_btn_fsize-b" target="_blank">寺院ページを見る</a></p></div></div>
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		<gnf:modified>Tue, 07 Apr 2026 01:48:57 +0000</gnf:modified>
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		<title>観音様と泣き、祈り、遊ぶ。地域の元気が生まれるお寺づくり – 長谷寺 住職 岡澤慶澄さん (長野県長野市)</title>
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		<dc:creator><![CDATA[井出悦郎]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 06 Oct 2016 01:49:45 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[お寺を継ぐことへのためらい。僧侶になるまでの魂の遍歴 仁王門から杉並木の石段をのぼり、鐘楼門をくぐると、美しい観音堂が石垣にそびえ立つ。振り向けば眼下に善光寺平を望み、地域の営みを鳥瞰する。1000年以上も地域の安寧を祈 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2 class="c_header_post-b">お寺を継ぐことへのためらい。僧侶になるまでの魂の遍歴</h2>
<p><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_00main.jpg" alt="0020_00main.jpg" /></p>
<p>仁王門から杉並木の石段をのぼり、鐘楼門をくぐると、美しい観音堂が石垣にそびえ立つ。振り向けば眼下に善光寺平を望み、地域の営みを鳥瞰する。1000年以上も地域の安寧を祈ってきた長谷寺は、「長谷のお観音さん」としても親しまれる。</p>
<figure id="attachment_3590" aria-describedby="caption-attachment-3590" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_1.jpg" alt="長谷寺から善光寺平を望む" width="640" height="480" class="size-large wp-image-3590" /><figcaption id="caption-attachment-3590" class="wp-caption-text">長谷寺から善光寺平を望む</figcaption></figure>
<blockquote><p>長谷寺は、観音様の心と触れて再生する場として長く息づいてきました。お参りされる方が清らかに生まれかわり、気持ちよくお帰りいただければうれしく思います。</p></blockquote>
<figure id="attachment_4514" aria-describedby="caption-attachment-4514" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5-1024x683.jpg" alt="長谷寺住職の岡澤慶澄さん" width="640" height="427" class="size-large wp-image-4514" srcset="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5-1024x683.jpg 1024w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5-300x200.jpg 300w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5-768x512.jpg 768w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5-600x400.jpg 600w, https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_5.jpg 1300w" sizes="auto, (max-width: 640px) 100vw, 640px" /><figcaption id="caption-attachment-4514" class="wp-caption-text">長谷寺住職の岡澤慶澄さん</figcaption></figure>
<p>柔らかな眼差しの長谷寺住職・岡澤慶澄（おかざわけいちょう）さんは穏やかに言う。人柄は多くの僧侶や檀信徒に慕われ、格式ある長谷寺の住職としてふさわしい雰囲気がある。しかし、ここに至るには、岡澤さんの魂の遍歴があった。</p>
<blockquote><p>自分がお寺を継ぐとは思っていましたが、他の家業や経営者と違い、お寺はお坊さんだからおいそれと引継げません。人の生死に関わり、葬儀の導師をするという一点に難しさを感じていました。</p></blockquote>
<p>宗教は道や法、人生の謎を突き詰めるためのもの。岡澤さんは腹決めのため、人間の生死を考えようと大学で日本文学を専攻。多くの書物や仏教書を漁った。<br />
しかし、授業は面白かったものの、大学は2年で中退。一定の単位を取得して卒業という型にはまる仕組みになじめなかった。ただ、人生は不思議なもので、中退も一つの縁となり、僧侶・岡澤慶澄の誕生につながる。<br />
中退後は宗教を忘れようとしても、そうはさせじと、宗教が岡澤さんの日常から消えることはなかった。アパートの隣人は創価学会の熱心な信者で、南無妙法蓮華経が毎日聞こえる。フリーターとして働き始めた京都・祇園のホテルでは、そのホテルの次男が知恩院で出家。北海道の礼文島でアルバイトした時は、熱心なクリスチャンの老婆と親しくなる。「私はクリスチャンだけどお寺やお経にとても魅かれます。早くその道に行かれたほうが良いですよ」と言われた。</p>
<blockquote><p>どこに行っても宗教に関わる出会いがありました。そろそろかと腹を決め、智積院の専修学院に行きました。一年中、毎日テンション高く、徹底的に修行に打ち込みました。</p></blockquote>
<h2 class="c_header_post-b">お寺の可能性に気づかせてくれた友人の死</h2>
<p>岡澤さんは長谷寺に帰る前、東京の病院で清掃員として働く。末期癌の患者が多い入院病棟では、患者から落ちた肌の角質や毛髪が、廊下にたくさん落ちている。廊下で紙が動くと思ったら、トイレに行った老人がトイレットペーパーをズボンに挟んで引きずっていた。人間がみるみる病み、受け答えができなくなる。お釈迦様の説く生老病死では避けられない、「みんないつかはこうなる」という世界が横たわっていた。</p>
<blockquote><p>四門出遊（※）は今にも生きる考えです。老い、病み、死ぬことは誰もが知っていますが、なかなか実感できません。お釈迦様も病人や死人を見て、初めて病や死の実感が意味を持ちました。四門出遊は仏教の原点ですし、生老病死に接することは、仏教が意味を持つ体験として大事です。檀家さんには、葬儀や法事が四門出遊のような意味の体験であり、そのための肉親の死だったと気付いていただきたいと思い、お話ししています。</p></blockquote>
<blockquote><p>※四門出遊とは・・・カピラ国の王子だった釈尊が、王城の東西南北の門を出た時、東門では老人に、南門では病人に，西門では死者に出会った。人生の苦しみを目のあたりにした時、北門では修行者に出会い、出家を決意したとされる伝説。</ul>
</blockquote>
<p>病院での経験は、岡澤さんが死という臨床現場に最も近づいた時だった。そんな折、高校の友人が突然亡くなる。</p>
<blockquote><p>衝撃でした。同級生と会ってもお互い何を話してよいのかわかりません。友人の死に接し、「そろそろお寺に帰るか」という思いが湧きました。友人が死をもって、私に縁をくれたのだと思います。</p></blockquote>
<p>お寺に帰ってしばらくして、親友の一人が彼女の追悼を兼ねて長谷寺でのコンサートを発案した。</p>
<blockquote><p>コンサートには400名も集まりました。「素晴らしかった」「お寺でこんなことができるなんて」という参加者の声がたくさん聞こえ、お寺がコンサートや、死んだ誰かを受け止める場であるという可能性を感じました。</p></blockquote>
<p>20年前は、「地域に開かれたお寺」という考えが広まり始めた時期。近くの松本市にはトップランナーの神宮寺・高橋卓治住職がおり、何度も会いに行った。</p>
<blockquote><p>「住職は数字の十の職だから何でもやっていい。お寺で講演、イベント、コンサート等、何でもやりなさい」と高橋住職に言ってもらえました。お寺をどうしていこうかと考えていた時期でもあり、「開かれたお寺」という考えはぴたりとはまりました。</p></blockquote>
<p>長谷寺では伝統的な法要のみならず、毎月18日（観音様の縁日）の厄除と所願成就を祈願する護摩祈祷、絵解きで著名な妻・岡澤恭子さんによる釈迦涅槃図の絵解き、200回を超えた毎月の写経会、そしてアートやコンサートなどの多様な行事が営まれる。祈り、語り、学び、遊びを通じて、現代の人々に生きる活力と喜びをもたらす場として長谷寺が再生しようとしている。</p>
<figure id="attachment_3590" aria-describedby="caption-attachment-3590" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_13manabi.jpg" alt="岡澤恭子さんによる釈迦涅槃図の絵解き" width="640" height="480" class="size-large wp-image-3590" /><figcaption id="caption-attachment-3590" class="wp-caption-text">岡澤恭子さんによる釈迦涅槃図の絵解き</figcaption></figure>
<h2 class="c_header_post-b">宗教が息づく四国遍路で、日本人の再生信仰に触れる</h2>
<figure id="attachment_3590" aria-describedby="caption-attachment-3590" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_2.jpg" alt="四国遍路での岡澤さん" width="640" height="480" class="size-large wp-image-3590" /><figcaption id="caption-attachment-3590" class="wp-caption-text">四国遍路での岡澤さん</figcaption></figure>
<p>平成8年の秋、岡澤さんは一ヶ月の四国遍路に行った。当時の四国遍路はうらびれた雰囲気で、遍路寺院の本堂には義手・義足・いざりぐるま等、お遍路中に死んだ人の道具が山のように積まれていた。</p>
<blockquote><p>秩父や西国霊場に比べ、四国遍路は暗いのです。治りにくい病気や犯罪で地縁・血縁から放り出され、行く場所のない人が祈りと懺悔のために最後に歩く場所でした。社会から疎外された人が最後に生きることを許された空間としての四国、最後に受け入れてくれる土地の人々。宗教が担う、悪意も差別も包摂する空間と文化が四国遍路でした。</p></blockquote>
<p>「ずっと家に帰ってないんだ」と心の底から深く嘆息する人、殺人未遂で何年も逃げ回る人など、社会で居場所をなくした様々な人たちがいた。その中で印象的な出会いがあった。</p>
<blockquote><p>左右が違うサンダルで、肌は真っ黒で爪が長く、近づけないほど臭い、乞食の行者みたいな人がいました。どのくらい歩いているのか聞いたら、「400周までは数えた」と。どんなに速い若者が歩いても30日はかかるので、一年間でも10週しかできない。「物心ついた時から母親に手をひかれ、歳は多分70代」と言う。とにかくずっと歩いていると言うのです。管理が行き届いた世の中に、こんな仏教説話に出てきそうな人がいるのかと感動し、しばらく一緒に歩きました。</p></blockquote>
<p><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_3.jpg" alt="oterabito_0020_3.jpg" /></p>
<p>四国遍路では宗教が息づき、社会が救えない人が救われている現実に触れられたと岡澤さんは言う。<br />
一方、四国遍路は社会で生きる力を得る場でもある。四国遍路は物語が発心・修行・菩提・涅槃に分かれ、それぞれに道場のお寺が決まっている。涅槃のあとに「方便」の道場があり、自分の日常に帰っていく仕掛けがある。遍路の癒しや気付きを日常に持ち帰り、自身の人生の物語を歩み直すという再生信仰の側面がある。</p>
<blockquote><p>日本人は大きな意味では日本の神道を生きていると感じます。再生は日本人に深く根付いています。日本人の魂は身近な山や自然から来て、そこに帰るという大きな循環の中にあると思います。春に水が流れ出て、平地では米になり、秋には実るという季節の循環があります。人の行ないが悪いと自然の循環が滞るので、お祭りやおはらいをすることで自然の循環がめぐり、食べ物や恵みが与えられるのです。
</p></blockquote>
<p>人も死んだら自然の循環に帰る。けがれのない大自然の循環の中に帰っていけるように、人生のすべての労苦を浄化していく優れた手法として、仏教が日本人の中に息づいてきたと岡澤さんは言う。</p>
<blockquote><p>悪行や何もかも清める大きな力が仏教にあり、何年もかけて供養しながら、死んだ人の魂が緩やかに自然の中に帰っていく。そして、時々に先祖の魂が帰ってきて実りを与えてくれると昔の日本人は思っていました。山の神社では、農作業で忙しい里の人にかわって神主さんが山をおがむ。先祖の魂があるお寺では、住職が毎日その魂をおがむ。毎日欠かさないから、先祖の魂は喜んで帰ってきてくれるのだと思います。もし今年は不作だったとしたら、住職がさぼっているからなのかもしれません(笑)</p></blockquote>
<p>死を恐れや暗いものではなく、明るくありがたいものに転換した日本仏教。葬式仏教と揶揄されるが、日本人の生死に仏教は深くかかわってきた。戒名という威力ある仏の言葉で、先祖の魂が迷わないようにしたのも仏教が日本に根付く中で生み出した智慧なのかもしれない。</p>
<blockquote><p>日本仏教は神道の感性がとても大切です。魂の問題をどう考え、どう送ってあげるのか。経済的な理由だけで葬送の形が変わってしまうと、数世代後の子孫が精神的な傷を負うと思います。前の世代は死者を粗末にしたと言われないよう、住職の役目を果たしたいと思います。</p></blockquote>
<h2 class="c_header_post-b">荒唐無稽なお寺の縁起が秘める物語の力</h2>
<p>四国遍路から帰ると、観光会社の社長から「僧侶と一緒に札所をまわるとみんな喜ぶ」と誘われ、西国、坂東、秩父の100観音をはじめ、四国や信濃を、5年間にわたって毎月、30-40名を連れて一緒に歩いた。その中で、各寺院の縁起（沿革）はとても優れていると感じたと岡澤さんは言う。</p>
<blockquote><p>どのお寺の縁起も荒唐無稽な話ばかりです(笑)。歴史の事実かは別として、そのように語ることで、自身とその世界の距離が縮まり、意味をもって働きかけてきます。長谷観音も天女の腕をつけたら温かくなったという「人肌観音」の伝説があります。現実にはありえませんが、物語を聞くと、仏像にしか過ぎなかったものが温かな存在としてイメージされ、観音様との距離が縮まります。長谷寺も人肌観音のいわれを語った縁起として、さかのぼること1400年前、舒明9年（637年）に開山した白助翁（しらすけおきな）の物語を大切にしています。
</p></blockquote>
<p>岡澤さんいわく、語り継がれてきた観音霊場の縁起に触れる体験を重ねると、徐々に参加者が現実の重荷から離れ、物語にほどかれていく感じがあるそうだ。</p>
<blockquote><p>「ほどかれていく」というのが巡礼の効果だと思います。巡礼は歩みの中で、物語みたいなワールドを転々としながら、結果的には行者さんの坐禅や瞑想と同じような状態に至るのではないかと思います。</p></blockquote>
<h2 class="c_header_post-b">地域が元気になることで、お寺も元気になる。地域の人が生きる力を取り戻す場所であり続けたい</h2>
<p>長谷寺は初詣や祈祷など、多くの人がお参りする一方、基盤は檀家に支えられている。</p>
<blockquote><p>長谷寺は長い間、檀家さんが守ってきてくれました。去年、総代・世話人さんの勉強会で寺業計画書を発表したら、衝撃を受けていました。「住職はそんなことを考えていたのか」と。お寺の経営を具体的に考えようと、総代さんを中心に気運が変化しています。お寺づくりを真剣に考えていることが伝わったのでしょう。</p></blockquote>
<p>長谷寺は地域の将来に深く関わっていきたいと岡澤さんは言う。</p>
<blockquote><p>地域が駄目でお寺だけがよくなることはありえません。地域が元気になる機能としてお寺が役割を果たせば、結果的にお寺も良くなります。観音様のもとにみんなが集まり、豊作を祈り、収穫に感謝し、村全体の思いを再確認する場所がお寺でした。地域の人が泣き、祈り、遊ぶという、地域の機能を果たす場所に再生していきたいです。</p></blockquote>
<figure id="attachment_3590" aria-describedby="caption-attachment-3590" style="width: 640px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/10/oterabito_0020_4_mini.jpg" alt="観音堂での護摩祈祷" width="640" height="480" class="size-large wp-image-3590" /><figcaption id="caption-attachment-3590" class="wp-caption-text">観音堂での護摩祈祷</figcaption></figure>
<p>地域の人や家族が人生のあるステージになったら、お祈りや厄除けで長谷観音にお参りしてほしいと岡澤さんは願う。最近は、参詣者が打つ鐘の音をよく感じるようになり、日常に祈りの時間を持つ人が増え始めているという手ごたえがある。</p>
<blockquote><p>長谷観音が昔から信仰されるのは、人間の内にある慈しみや愛などの観音性がよみがえる聖なる場所だからです。長谷観音にお参りされた方が、自身の内に流れる観音性に出会い直していただければうれしいですね。</p></blockquote>
<p>長谷観音は今日も広大な善光寺平を眺め、人々の安寧を願っている。長野市と言えば善光寺が有名だが、少し足を伸ばして長谷寺にもお参りされてはいかがだろうか。長谷観音、そして住職をはじめとする長谷寺の人々があなたを温かく迎え、明日からも歩む元気を与えてくれるだろう。</p>
<p class="c_btn_group-c"><a class="c_btn-b c_bgcolor-a c_btn_size-a c_btn_fsize-b" href="https://mytera.jp/file/oterabito_hasedera_okazawa.pdf"target="_blank">インタビュー記事を印刷する (PDF)</a></p>
<div class="c_tera-a"><div class="c_tera__img"><img decoding="async" src="https://mytera.jp/wp-content/uploads/2016/06/0020_01eyecatch.jpg" alt="お寺画像" loading="lazy"  width="275" height="162"></div><div class="c_tera__info"><div class="c_tera__txt-a">長野県長野市</div><div class="c_tera__title-a">金峯山 龍福院 長谷寺</div><div class="c_tera__txt-b">日本三所　長谷観世音霊場</div><p class="c_tera__btn_group-a"><a href="https://mytera.jp/tera/hasedera20/" class="c_btn-b c_btn_arrow-a c_bgcolor-a c_btn_size-b c_btn_fsize-b" target="_blank">寺院ページを見る</a></p></div></div>
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