おまいり日記:千葉県市川市 日蓮宗 大本山 法華経寺のご祈祷
2017.02.17
この『まいてら編集部日記』は、編集部メンバーによる徒然日記です。日頃、お寺やお坊さんに接することの多い私たちの日常や、日々の思いを書かせていただくことで、「お寺のある生活」を感じとって頂きたいという趣旨でスタートしました。
第ニ回は『まいてら』らしく、お寺へのお参りの報告となります。
読者の皆さまは『世界三大荒行』をご存知でしょうか?「世界三大」というと「料理」や「珍味」が連想されますが、「荒行」です。”珍しい味”ではなく、”荒々しい修行”における「世界三大」です!私は今まで知りませんでしたが、調べてみたところ以下の3つが挙げられるそうです。
天台宗の千日回峰行と日蓮宗の大荒行はインドのヨーガと共に世界三大荒行といわれてます。
日本の荒行が3分の2を占めているのが凄いですね、、、。
実は先日、日蓮宗の『大荒行』が行われる、日蓮宗大本山 中山法華経寺へお参りさせていただきました
お参りの大きな目的は「御祈祷を体験すること」「大荒行堂で修行中のお上人(お坊さん)に面会すること」です。まいてら登録寺院 日蓮宗 妙法寺 久住謙昭ご住職のご案内のもと、まいてら編集部メンバーと、親しくさせて頂いているお坊さんと奥様達の総勢9名の団体参拝でした。
目指す法華経寺は、JR 下総中山駅または京成中山駅より歩いてすぐ。昔ながらの門前町の名残りある街並みが楽しいです。
日蓮宗の大本山ということで、宗祖 日蓮聖人が最初に開かれたお寺です。法難に遭われた日蓮聖人が一命を救われたという鬼子母神様をおまつりしており、祈願成就、子育ての神さまとして、古くから信仰をあつめています。
大きな山門をくぐってしばらく歩くと左手に見える、日蓮聖人をおまつりする大きな祖師堂は見事な茅葺屋根で、重要文化財にも指定されているとのこと。屋根が特徴的な「比翼入母屋造」という建築様式ですが、同じ造りの岡山県吉備津神社は国宝指定されていながら、法華経寺がそうでない理由は恐らく「日々使っている建築物であるから」だそう。なんとなく、ハレを司る神社の役割と、日常に根ざしたお寺の役割との違いが感じられますね。
大荒行堂に着くと、修行中のお上人から大きな声で呼ばれました。毎日お経をあげて、水行をし続けるという厳しい日々をおくっているお上人達は頭髪や髭が伸びていて、声がかれています。それでも大きく響く元気な声がすばらしい。
御祈祷はあっという間の出来事でした。毎日、水行をして研ぎ澄まされた空気感をたずさえる修行僧たちによる読経は迫力に満ちており、回向の文言には導師をつとめてくださったお上人の真摯な願いが伝わってきてとてもありがたく感じました。
御祈祷のあとは、いよいよ荒行中のお上人達への面会。修行中の雰囲気は、娑婆でお会いする時とかなり違います。落ち着いているような、昂まっているような、、、不思議な雰囲気に圧倒されます。応援の言葉をおくるつもりが、私たちの方が逆に元気づけていただくような、嬉しい会話を交わすことができました。
大荒行は例年2月10日までなので、現時点では修行を終えられたことかと思います。また、娑婆で再会するのが楽しみです。
面会を終えて、広い境内をぐるっと拝観させていただき、最後は門前の茶屋で温かいお茶と豆かんをいただきました。懐かしい風情の甘味処があるのも大きなお寺ならではの魅力ですね。
2月ながら日差しのそそぐ穏やかな日だったので、とても気持ちのよいお参りになりました。境内は広く散策に適していますし、門前の茶屋でお茶をするのも楽しいです。月例法話は毎月18日に行われ、鬼子母神さまの縁日は毎月8日、18日、28日と、「8のつく日」だそう。様々な年中行事もおこなわれているので、ぜひお参りしてみてください。
今回、私たちが体験したご祈祷は恐らくどこかの日蓮宗のご寺院のご紹介が必要かと思われます。まいてらに登録されている寺院の中にも、ご祈祷をおこなっているお寺がありますので、興味のある方は問い合わせてみましょう。初めての方でも親切に色々と教えてくれるはずですよ!