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まいてら編集部員たちの”お寺のある”日常

まいてら編集部日記

本堂での合掌だけじゃない!まいてら流・お寺のまいりかた

2018.02.13

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東京の大雪もとけた2月のある日、まいてら編集部の遠藤&サノが東京都墨田区にあるまいてら寺院 龍興院さんへお参りする機会がありました。
まずは、おまいりメンバーのプロフィールをご紹介。

遠藤卓也

立教大学卒。2003年に『お寺の音楽会 誰そ彼』を立ち上げ、主催・運営。IT企業に勤務した後、現在は一般社団法人お寺の未来にて『まいてら』を担当。毎年の初詣は調布市にある深大寺へ。鬼太郎茶屋、深大寺そばと天然温泉が◎

サノハナ

国際基督教大学からお寺の世界にふらりと立ち寄ったらそのままどっぷり浸かってまいてら編集部に。年明けから一人暮らしを始め、野菜・果物不足が深刻だったが、茨城県のお坊さんから立派なイチゴをいただき、元気100倍。最近の悩みは冬のお寺が寒くて手足が冷えること。

お寺を遊泳する

まいてら編集部のメンバーは、日々お寺に接していますが、「観光のお寺」というよりは、地域に密着して檀信徒をはじめとする参詣者をあたたかくお迎えする「檀家さんのお寺」に伺うことが多いです。すると、ご住職が「うちは特に見どころもありませんから、、、」と不安げに仰ることがあります。それでも、ご本堂にお参りして、お寺の歴史を聞きながら境内をぐるっと一周してみると、ちょっとした発見や驚きがあり、とても満喫して門を出ることになるのです。

「寺社観光」としてのお参りは目的がはっきりしています。「珍しい仏像がある」「山門からの景色が素晴らしい」「門前の茶屋で食べるお蕎麦が絶品」などなど。例えるならば、整えられた競泳プールで100Mを泳ぐとか、絶好のダイビングスポットに綺麗な魚を見に行くようなイメージでしょうか。それに対して、まいてら編集部メンバーが日々接しているお寺へのお参りは、おだやかな浅瀬を遊泳するイメージ。早く泳がなくてもいい。特に潜る必要もない。悠々と一回りして浜辺に戻ると、「お参りしてよかったなあ」というあたたかい気持ちが残るのです。

今回伺った龍興院さんはスカイツリーのふもとにある檀家寺です。しかし、檀家さんしかお参りしてはいけないということはなく、お参りの方にはどなたでもあたたかくお迎えしてくださるお寺です。この記事では龍興院さんを例に、まいてら編集部・遠藤&サノの「いつものお参り」をレポートすることで、観光目的のお寺参りとは「ちょっと違った視点」をお伝えできればと思います。

あなたの「お寺のある生活」の参考になりますように。

お寺までの道のりを楽しむ

JR錦糸町駅を降り、iPhoneでまいてらを開き地図を確認。「多分あっちです!」サノ氏の示す方向を見ると聳え立つのは東京スカイツリー。普段、東京タワーのふもとで仕事をしているまいてら編集部にとっては、なんだか新鮮な景色。

龍興院まで10分ほど歩くうちに、サノ氏は興味深いお店や看板を見つけては、パシャパシャと撮影。まだ開店前のお店が多いながら、なんとなく錦糸町町歩きです。

工場や業務用部品のお店が目立ち始め、スカイツリーが迫り、お香のよいかおりが漂ってくると、いよいよ龍興院です。目的の住所に着いても3ヶ寺が隣合うため、入り口がわからず「まいてらを見ながら来たのにたどり着けないのはマズイ!」と若干焦ります、、、

お寺でピンポーン♪

「ここだ!」まいてら寺院ページで見覚えのある景色が目に入り、ホッと一安心。会釈をして門をくぐります。

きれいに整えられた庭園を抜け、まずは右手にある寺務所のインターホンを押します。「お寺のインターホンを押す」ことにも随分と慣れてきたなあとしみじみしていると、奥のほうから副住職の大島慎也さんが出てきました。

「ようこそ ようこそ」いつも笑顔の大島さんに会えて、もう一安心。

まずは本堂へご案内いただき、ご本尊の阿弥陀如来さまの前で「南無阿弥陀仏」とお念仏をとなえます。お香のかおりに包まれるこの時間がなんともいえません。

ご本尊の損傷が伝える戦争の傷跡

「うちは空襲で焼けてしまって、歴史的なものは何も残ってませんから、、、」と大島さん。でもご本尊の阿弥陀如来さまだけは、大島さんのひいおばあさまが背負って逃げたそうです。その際に折れてしまったという阿弥陀如来さまの右手の人差指が、戦争の傷跡を今に伝えてくれます。

ご本尊以外はすべて戦後の作品ながら、龍興院の本堂には沢山の仏像が私たちを見守っているようです。

左:地蔵菩薩さま 右:十一面観音さま

ご本尊の両脇には彫刻家・小野直日先生による十一面観音さまと地蔵菩薩さま。小野先生の作品の中で、ここまでの大きさのものは珍しいらしく、時に拝観を希望される方がいらっしゃるとか。繊細でやわらかい印象の仏様です。

そしてぐるっと壁に沿って本堂を取り囲むのは、52躯体の雲中供養菩薩像!これは圧巻です。先代のご住職が、平等院鳳凰堂を模して仏師に製作を依頼したそう。

ここでサノ氏が大島さんに質問「像のひとつひとつに人の名前が刻まれているのは何故ですか?」大島さん曰く「これは寄付をしてくださった方に、気に入った像を選んでもらい、”ご寄付いただきました”という意味でお名前を彫っています」とのこと。なるほど。永きに渡り続いている・続いていくお寺だからこそ可能な、感謝の気持ちのあらわし方です。

マイ木魚に触香(そっこう)。奥深き仏具の世界

もうひとつ本堂で印象的だったのは、椅子の前にそれぞれ専用の「マイ木魚」が設置してあること。思わず「浄土宗のお寺は常に専用木魚を置いているのですか?」と質問すると、「行事によってはそれぞれの木魚を叩きながらお経をよむことがあります。うちは、いつも皆さんにポクポクとしてもらって参加型の法要にしています」と大島さん。確かにポクポクしながらお経をよむのは、『太鼓の○人』みたいで楽しいかも!(、、、すみません)

本堂横の書院(休憩やお斎に使う部屋)なども見せていただくと、サノ氏は書院の絨毯の素敵さや、どのお寺にも必ずと言っていいほど置いてある「白い象」の置物に注目。お寺のインテリアに興味があるようす。

象つながりで、本堂横の廊下には黒い象を発見。これは何ですか?大島さん!

「これは触香(そっこう)と言って、大きな法要の際に使う香炉です。法要がおこなわれる道場(本堂)の入り口で香を焚いておき、中に入る僧侶がまたぐことで身体を清める意味合いがあります」

へー!触香とはお初にお目にかかりました。仏具の世界もまた奥が深いものです。

インスタ映えする墓地

その後は本堂を出て、境内と墓地をぐるっとひと回り。古そうな塀壁や一部の墓石は、空襲を乗り越えた歴史が感じられました。

そして何よりすごいのは、墓地から見るスカイツリーの眺め!言葉を選ばずに表現するならば、こんなにインスタ映えする墓地は他になさそうです。墨田区が配布する観光案内などにも使われたとか。

町に大切な、公共の「座れる場所」

芳名帳へ記帳するサノ氏

書けました!

最後に、寺務所の玄関で大島さんと名残惜しく談笑しました。スカイツリーが出来てから人の流れが変わり、お寺の前を歩く人も増えてきたとのこと。外国人観光客は境内の庭に惹かれてふらっと入ってくることもあるそうです。

大島さんは副住職でありながら、歯医者さんでもあるため多忙に過ごしていらっしゃるのですが、はじめての方でも参加できるような行事・イベントを作っていきたいとお考えのようでした。何かやる時は「まいてらカレンダー」にてお知らせいただくようにお願いしました。

落ち着いた雰囲気の待合室

サノ氏は玄関横の、待合室スペースに大注目。お墓参りの方が靴を脱がずに待ち合わせできるようにと、茶室を改装してつくられた合理的な空間。サノ氏は「ここでお弁当を食べたい!」と願っていました。町に公共の「座れる場所」が少なくなってきた昨今、特に東京の町中ではこういった安心してくつろげる場所は貴重です。

最後の最後に玄関で配布していた『浄土宝暦2018』の「九星占い」でひと盛り上がりした後で、お寺を後にしました。龍興院さん、ありがとうございました!

信仰と復興。お寺の新しい歴史づくり

何らかの災害によりお寺がなくなり、記録や文化財なども全て失われてしまったという話は、東京のみならず全国でよく聞く沿革です。それでもなお、お寺が続いているということは、当時の住職や檀信徒の類まれなる努力、そして信仰があったのです。
龍興院さんにおいても、とにかくご本尊が無事であったことから、先代のご住職や檀信徒がまとまり、今に続く龍興院を再興させたのだと想像します。
平等院鳳凰堂を模したという52躯体の雲中供養菩薩像に刻まれたお名前が、お寺の新しい歴史となり続いていくのでしょう。

お寺画像
東京都墨田区
常在山 龍興院
心も体も健康に 健康長寿のお寺

寺院ページを見る

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遠藤卓也

遠藤卓也

立教大学卒。2003年に『お寺の音楽会 誰そ彼』を立ち上げ、主催・運営。IT企業に勤務した後、2012年より未来の住職塾事務局を担当。現在は一般社団法人お寺の未来にて「お寺のブランディング」をテーマに、お寺のHP・パンフレット制作や『お寺の広報セミナー』講師を務める。

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