まいてら編集部員たちの”お寺のある”日常

まいてら編集部日記

人が集まるお寺をつくりたい!共通の思いが引き合わせた「寺ヨガ」誕生物語

2017.11.13

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全国でヨガ教室が開催され、自宅でも動画や本を見ながら気軽にヨガを体験できる今日この頃。
お寺の本堂や広い畳のスペースなどを開放し、ヨガ教室を開く「寺ヨガ」が増えています。

今回は、2016年6月から始まった東京都港区安楽寺の寺ヨガ誕生秘話を、安楽寺住職の藤澤克己さんと、ヨガ講師のラブデ敬子さんにインタビュー。
お互いの想いが見事にぴったりと重なり、ヨガをきっかけにお寺を中心としたご縁の輪が広がっていく様子を聞くことができました。

原点はインドでの体験。日本のお寺に自然と足が向くような流れをつくりたい

「安楽寺でヨガ教室が始まったきっかけを教えてください」

安楽寺住職の藤澤さんとヨガ講師のラブデさんに質問を投げかけると、ストーリーはインド人の男性と結婚されたラブデさんがインドのお寺で体験した出来事から始まりました。

ラブデさん
私は20年くらい前からインドへ通い始めました。インドでの思い出はたくさんありますが、中でもインドではお寺の存在が人々の生活に自然に溶け込んでいることに感銘を受けました。インドのお寺は憩いの場です。用事が済んだら帰るのではなく、わけもなくその場にいて癒されている人が大勢います。
人びとの無意識の中にお寺の存在がある風景を目の当たりにして、日本の素敵なお寺にも自然と人が集まるような流れをつくれたらいいな、と考えました。

近頃の仏像ブームや四国お遍路、御朱印など、何かと仏教やお寺が注目されることが増えましたが、街のお寺でくつろげるような気軽さや安心には遠く、まだまだお寺が身近になったとは言えません。

ヨガ講師となったラブデさんはインドでの経験を通して、人が集まるきっかけとしてお寺でヨガ教室を開きたいと考えるようになりました。

南インドでヨガをするラブデさん

出会ってすぐに意気投合。嵐のようなスピードで第一回「寺ヨガ」開催

港区生まれ、港区育ちだというラブデさん。何か始めるならぜひ港区でやりたいと考え、地域のコミュニティづくりの講習に参加。そこで藤澤住職とボランティア仲間であるという人と出会い、安楽寺を紹介されたそうです。

藤澤住職
私は、普段からお寺に檀家さんしか来ないことに悩んでいました。安楽寺には素敵な伽藍があるので、人の出入りがあったらいいなという思いがあります。お寺に足を運ぶきっかけとしてヨガ教室は魅力的なのではないかと考えていました。

安楽寺住職の藤澤克己さん

お寺に人が集まる機会をつくりたい。お互いに同じ思いを持っていたラブデさんと藤澤住職は、出会ってすぐに意気投合。2016年5月に初めて顔を合わせた後、翌6月には安楽寺にて第一回の寺ヨガが開催されました。

安楽寺では今までにもいくつかヨガ教室開催の話があったそうですが、いずれも長続きしなかったといいます。お寺に対する思いを共感し合えるパートナーとの出会いが推進力となり、寺ヨガは毎月続く安楽寺にとって欠かせないイベントとなりました。

本堂の雰囲気を活かす、お寺だからできるヨガがある

ラブデ敬子さん。安楽寺の寺ヨガにて

ヨガ教室は全国各地、さまざまな場所で開催されていますが、お寺という空間で行われるヨガには何か特別なアプローチがあるのでしょうか。

ラブデさん
安楽寺の本堂は天井が高い。一般的なスタジオなどではなかなか味わえない雰囲気なので、その空気や本堂に満ちたエネルギーに包まれただけでも癒されます。せっかくの素晴らしい空間を活かすため、寺ヨガでは呼吸や瞑想を中心にしたヨガをお伝えしています。複雑なポーズはとらず、呼吸や瞑想に集中しやすくするために動きをつけるといったところですね。

これまでに、大きなスポーツジムでヨガを教えたこともあるというラブデさん。細かくタイムスケジュールが決められたスポーツジムのスタジオでは何かと制限が多く、人の出入りも激しいため、とにかくせわしない雰囲気だったそうです。

一方、安楽寺の寺ヨガは、教室が始まる前にも後にも厳格に守らなくては行けない時間制限などありません。仏さまに手を合わせたり、わけもなくただ座ってくつろいだり、自由にゆったりと好きな時間を過ごすことができます。

お寺ならではの時間の流れが、ヨガ本来の目的である「心と身体の調和」へ、優しく導いてくれるようです。

「お寺とつながる安心」を知るきっかけに


安楽寺のヨガ教室は区外からの参加者ばかり。遠方から1時間以上かけていらっしゃる方もいます。
もともと頻繁にお寺を訪ねたり、お坊さんとじっくりと話したことはなかったという参加者の皆さんですが、ヨガをきっかけに住職と歓談したり、お茶を飲んでくつろいだり、仏さまの前にじっと座ってみたりと、それぞれがお寺で過ごす時間を楽しんでいる姿が印象的です。

「お寺に人が集まる機会をつくりたい」という思いで始まった安楽寺の寺ヨガは、単なる「ヨガ教室のための場所貸し」にとどまらず、参加者にとってかけがえのない時間をつくり出しました。

安心できる場所で、心地よい雰囲気に包まれながら自らの心と身体に向き合うこと。
お寺でヨガをすることの喜びをぜひ体験してみてください。

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お寺画像
東京都港区
円覚山 安楽寺
グリーフ(悲嘆)に寄り添うお寺

寺院ページを見る

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サノ ハナ

サノ ハナ

1994年生まれ。国際基督教大学卒業。大学では、鴨長明『方丈記』における「心」「身」「住まい」を研究。全国津々浦々に点在するお寺の公共性に関心を持ったことをきっかけに、大学3年生の秋より一般社団法人お寺の未来学生インターンとして働きながら、安心のお寺づくりを日々勉強中。

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