まいてら編集部員たちの”お寺のある”日常

まいてら編集部日記

日本のお寺が世界のお寺になる日 - 中国人の心に響くお寺の魅力(前編)

2017.09.21

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まいてら読者のみなさん、こんにちは。まいてら編集部の井出悦郎です。

7月の終わりに、中国は上海の方を鳥取県の宿坊「光澤寺」にご案内しました。
http://www.koutakuji.com/

写真の彼女たちは、中国のいくつかのお寺で実際に Temple Stay(お寺での仏教体験と宿泊を兼ねた宿坊滞在のこと) を展開されています。
中国の人たちが体験できる日本のお寺(宿坊)と出会いたいとのことで、光澤寺とのご縁をつながせていただきました。

この度、光澤寺での体験記を前後編にわたってお届けします。

中国は激烈なストレス社会。中国人が日本のお寺を求める潜在需要は極めて大きい

彼女たちと色々と話していると、次のようなことが分かってきました。

  • 中国は激烈な競争社会であり、とてもストレスを感じる中国人は増えている
  • 中国は仏教国であり、近年は仏教ブーム。仏教や瞑想を真剣に学びたい人は増えている
  • 中国国内のtemple stayやお寺へのお参りは増えているが、人が多すぎて騒々しく、リラックスできる環境ではない
  • 近年は中国も急速に開発が進み、自然破壊が進んでいる。心が落ち着き、癒される自然環境には出会いにくい
  • 日本に来て、爆買いや有名な観光地を訪れる中国人ばかりではなく、日本の田舎等のローカル地域との触れ合いを求める中国人も増えている。中国人のニーズも多様化している

日本では中国を一昔前のイメージで画一的にとらえる見方が根強いですが、さすがに十数億人もいる国ですし、近年の経済成長も絡んで急激に多様化していることは間違いありません。
以前の会社にいた中国人留学生のインターンは、「競争社会を嫌う若者も増えている。外資系についていけない学生はのんびりしている日系企業を好む(笑)」と言っていました。彼女たちの話は、その記憶とも重なりました。

100年の苦難の歴史から解き放たれ、すさまじい速度と規模で成長している中国では、日本では考えられないくらいの激烈な社会のひずみに苦しむ人々も増えているのでしょう。むしろ、人数規模でみれば日本以上に圧倒的に多いはずです。

「環境がパーフェクト」 田舎のお寺に溢れる魅力

光澤寺では、「こころの授業」という仏教講座と瞑想体験をはじめ、読経や写経など、様々な仏教体験をしました。

彼女たちはその一つひとつの体験にすべて満足していました。
言葉の壁は、日本語と英語の通訳をしながら乗り越えましたが、言葉以上に「体験」がその壁を乗り越えることに大きかったと思います。
体験によって、仏教が「理解する」ではなく「感じる」ものとして、彼女たちの経験に取り込まれていき、「感じる」ということの豊かさは、言語の壁も軽々と乗り越えるものだと思いました。

そして、彼女たちの忘れられない言葉があります。
光澤寺に着いてほどなく、彼女たちは言いました。

「環境がパーフェクト。何も加えないでほしい。何も変えないでほしい。このままで、このままでいてほしい」

特にパーフェクトという言葉は、彼女たちの身体の奥底から発せられているような、深く実感のこもった声でした。

光澤寺の位置する地域は、山あいの自然と田んぼに囲まれた環境。
日本人にとっては、地方に行けば必ずしも珍しくない田舎の風景といったところでしょうか。
しかし、彼女たちにとっては違います。

  • 緑と山に囲まれた自然豊かな立地
  • 山あいを通り抜ける心地よいそよ風
  • カエルや虫の鳴き声以外は聞こえない静かな環境
  • 中国では見たこともない天の川と満点の星空

どれ一つとっても、中国ではなかなか出会うことのできないものばかり。
そして、住職夫婦が迎える家族的な温かさにも、彼女たちは嬉しさを感じていました。

彼女たちから見れば、光澤寺の環境は宝物のようなものです。
そして、それは光澤寺だけではなく、過疎化が進む地域のお寺ほど、海外の人にとっては魅力的に見える可能性があるということでもあります。

後編へつづく

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井出悦郎

井出悦郎

1979年生まれ、東京育ち。東京大学文学部卒。人間形成に資する思想・哲学に関心があり、大学では中国哲学を専攻。銀行、ITベンチャー、経営コンサルティングを経て、「これからの人づくりのヒント」と直感した仏教との出会いを機縁に、一般社団法人お寺の未来を創業。同社代表理事を務める

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