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掃除でお寺がもっと好きになる「サノハナの朝から勝手に掃除作務週間」の記録(後編)

2018.04.24

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「サノハナの朝から勝手に掃除作務週間」レポートの後編!
前編に引き続き、まいてら編集部のサノハナが、最寄りのまいてら寺院を朝7:30から勝手に掃除するという1週間の記録をお届けしています。

今回は、「実際に毎朝どんなことをしていたのか」「お寺を掃除をしてみて何が変わったのか」について、詳しくお伝えします。
かなり思い切って自分の内側のことを書きました!

こうやって朝掃除していました

【7:30 高願寺着、お勤め】
自宅マンションから自転車をかっ飛ばし、10分もかからず到着。あまりに近くて拍子抜け。
お掃除週間実施中はちょうど桜の季節で、天気にも恵まれ最高のサイクリングロードでした。

お寺へ到着すると庫裏のインターホンを押します。すると住職か坊守さん(住職の奥様)が出てきてくださって、ご挨拶。「おはようございます」

そのまま本堂へ向かい、嘆佛偈(たんぶつげ)を住職とともに唱えます。初日は緊張し、声がうまく出せず集中できませんでしたが、2日目以降は慣れてきて気持ちの良い声の出し方を見つけることができました。

【7:45 お掃除開始】
住職がつくってくださったお掃除メニューに従い、境内、本堂、別館の古民家と毎日違う場所をお掃除します。

私一人でやることもありましたが、ほとんどの場合は住職も合流して一緒にお掃除をしました。ときには住職お寺にいない中、本当に「勝手に」お掃除をしたことも。境内を掃除するときは竹箒や小さい箒を駆使して落ち葉集め。室内は掃除機、ときにはモップを使って床掃除。本堂の内陣は優しくマイクロファイバーで拭き掃除をします。高い所に溜まったホコリをはたく、ながーい箒も使いました。一週間でさまざまなお掃除道具を手に取り、あの手この手でお寺を綺麗にしていきました。

高い所を掃除するながーーーーい箒

嬉しかったのは毎日お天気に恵まれたことです。朝のキラキラとした日差しを受け、お掃除しながら体を動かすことがこんなに気持ちの良いことだとは。お掃除後に向かった職場では「今日は表情が晴れ晴れとしてるね!」と言われました。私自身、「誰よりも充実した朝の時間を過ごしてきた」という実感を持ち、幸せな気分で仕事に取り掛かることができました。

日に日に空気が暖かくなっていくことを感じ、虫たちの動きが活発になってきたり、昨日は咲いていなかった花が綺麗に開いている様子を見ることも小さな喜びでした。

【8:45 お茶タイム】
お掃除が早く終わった日や、次の予定が差し迫っていない日は住職と応接間でお茶を飲みながらお話をします。普段だったら一人で焦りながら黙々と出かける準備をしている時間帯なので、こうしてゆったり過ごせる時間が新鮮でした。一息ついた後、「また明日」とお寺を後にし、仕事へ向かいます。

【番外編:お掃除仲間ができた!】

今回の企画を実施するに当たり、まいてらのFacebookページで毎朝の実況をしたり、知人に「お寺で朝掃除するんです」という話をいたるところでしていたら、「楽しそうだ」といって近くに住む友人がお掃除に参戦してくれました。合計3日間共にお掃除をしたその友人は今までお寺と深い関わりをしたことがなかったと言いますが、お勤めから始まるお寺掃除フルコースを楽しんでくれたみたいです。掃除週間が終わっても「お掃除のために早起きしたから、今でも朝はスッキリと起きられるよ」と話していました。私の勝手な思いつきで始まった企画でしたが、楽しんで参加してくれる仲間ができたことは嬉しい出来事でした。

お寺で朝掃除してみて気づいたこと

こうして「サノハナの朝から勝手に掃除作務週間」を終えてみて、心の変化や新たな発見がいくつもありました。中から特に印象的であったものをまいてら読者の皆さまにシェアしたいと思います。

【自分に自信がつく】
「サノハナの抱える問題」として、自らを律することに挫折し自信をなくしていたことに触れましたが、このお掃除週間を無事に完走しきったことで、「私にもできるんだ!」という成功体験を積むことができ、失っていた自信を取り戻すことができました。

思えば企画開始前、朝7:30からお掃除する!と高らかに宣言したものの、一週間毎朝早起きをするという行動目標がとてもハードルの高いものに見えて、不安でいっぱいでした。「寝坊して迷惑をかけたらどうしよう」「掃除週間中に飲み会の予定も入っているし、途中でバテてしまわないか」と心配事ばかり。
ところが、初日に難なくスッキリと目覚めてお掃除を終えてみてからは、この企画が簡単で無理のないものであると心と身体が理解したので、案外気負うことなく続けることができました。
掃除週間が折り返した頃、前日夜に大人数ではしゃぐ機会があり、睡眠時間も長くとれなかったのですが、身体が早起きに慣れていたようで何不自由なく朝起きられた事がありました。このときにはっきりを「私にもできるんだ」という思いを実感しました。
早起きを習慣にしてしまえばこっちのもの。続ける環境さえ整えれば、「自らを律する」なんて大仰なことを言わなくても身体がついてきてくれることがわかりました。

【お寺がもっと好きになる】
私はお仕事でお寺に関わるようになって2年半ほどになります。お寺のイベントの後片付け程度なら何度か経験しましたが、日常的な環境整備としてお寺をお掃除したことは今までにありませんでした。
1時間×7日間、合計7時間ほどお寺を掃除してみて今回気づいたのは、お掃除しているとお寺の隅々まで目が行き届くということです。

ここで石畳の材質が変わるのか、この扉はつくりが細かくてかわいいな、こんなところにも入り口があったのか、など、お寺をお掃除していると様々な発見があります。自分が手を加えることでお寺の環境が整っていく様を見ると、お寺に愛着が湧いてきます。結果、私は高願寺が大好きになりました。
文字通り”mytera(私のお寺)”ができたようで、何だか嬉しい気分です。

こんなところに金木犀が植わっていたのか!と発見

【お寺に見守られているという安心感がある】
お寺をお掃除した1週間、お寺の外では様々な出来事が起こり、個人的に気分のアップダウンが激しい日常を送っていました。楽しくて笑い転げることもあれば、辛く耐え難い局面を乗り越えなければいけないこともありました。

特に掃除週間を実施したのは3月の最終週、お別れの季節です。この一週間の内に必ず訪れる親しい人との別れを思い、寂しい気持ちを抱えながら過ごしていました。そして、とうとうやってきてしまったお別れの日、笑顔で送り出しながらも気持ちの整理がつかず、モヤモヤとした煮え切らない思いを抱えたまま翌日の朝を迎え、お寺へやってきました。その時、私は「誰にも言えないこの混乱した思いを仏さまに打ち明けたい」という思いを持ち、本堂でいつものお勤めをしていたのです。

振り返れば毎朝のお勤めで、日常で起こる様々な出来事によって日々揺さぶられる感情をそのまま仏さまに報告し、手を合わせていたのでした。それは無意識の内にやっていたことです。地域に根をおろし何百年も人びとの祈りを受け止めてきたお寺という場はいつも私を見守ってくれているような気がしていました。だから私も日々自分に起こる変化を伝えたいと思ったのでした。

そうして仏さまに心を打ち明けた後、いつものようにお寺を掃除していると、抱えきれずにいたもやもやが次第にスッキリと落ち着いていくような感覚になりました。日常の一コマに自分を見つめられるポイントがあることが安心につながるとわかり、お寺とつながることがありがたいと感じる出来事でした。

あなたも近くのお寺で朝掃除

ここまでお伝えしてきたように「サノハナの朝から勝手に掃除作務週間」は個人的に大変実りのある企画になりました。これを単発の企画に終わらせてしまうのはもったいないことだなと感じています。一週間と言わず、できる範囲でお寺の朝掃除を続けたいとも思っています。

そして、この記事を最後まで読んでくださっている皆さまにもお寺の朝掃除する楽しさをぜひ感じていただきたい。お寺の朝掃除に興味を持ってくださった方、「ここならお掃除させてもらえるかも」と期待できるお寺があったらぜひこの記事を持ってお坊さんをスカウトしてみてください。もしくは、この記事を読んでくださっているお坊さん、お寺の朝掃除企画を検討してみてください。
特に、「モヤモヤした気持ちをなんとなく抱えているけど、その正体がわからない」という思いを持っている方にオススメします。とりあえず、始めてみましょう。

まいてら寺院の朝掃除

朝掃除ができるまいてら寺院を要チェック! 「Temple morning」広がっています。

詳しくはまいてらカレンダーをご覧ください!

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サノ ハナ

サノ ハナ

1994年生まれ。国際基督教大学卒業。大学では、鴨長明『方丈記』における「心」「身」「住まい」を研究。全国津々浦々に点在するお寺の公共性に関心を持ったことをきっかけに、大学3年生の秋より一般社団法人お寺の未来学生インターンとして働きながら、安心のお寺づくりを日々勉強中。

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